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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
追放立志編
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動き出す歯車 三節




「・・・信じてもらえないかも知れないけど、私や王城にいる他のクラスメートの皆はこの世界じゃなく、地球という違う星から召喚されたの。丁度一週間程前に」


(一週間前、王城の上空に超巨大な術式が浮かんだ日か・・・辻褄は合うけど異星から人を喚ぶとか色々凄すぎるなぁ。でもなんだか面白そう)


 トワは自分の想像の斜め上をいく事態に呆気に取られますが、それ以上に興味と関心を強く持った為にトーコとの会話を続けます。


「他のクラスメートって言ってたけど、トーコも含めて何人ぐらい喚ばれたの?」


「二十八人。学校で普通に授業を受けていたら、目の前の黒板に突然魔方陣、この世界では術式っていうのが現れてソレが強烈に光始めて・・・気がついたらこの世界に来ていたの」


「成程・・・そういやさっきから先生とか教師の名前が出てこないけど、トーコ達の星にはそういう職業はないの?」


「勿論いるよ。ただ何故かその時授業をしていた私達のクラスの担任である先生だけは、こちらに喚ばれなかったみたい・・・先生大丈夫かな?」


 トーコは恐らく元の世界に残された担任の教師の身を案じます。


「ふ~ん、それだけ心配してるって事はトーコはその先生を慕ってるんだね」


「うん・・・私のこの髪と目の色を見ても、差別も特別扱いもせず普通に接してくれたから」


「その綺麗なハニーブロンドの髪色と青い瞳が差別されるとは何か変わった世界だね」


「私の生まれた日本という国では、トワみたいに黒い髪と瞳ばっかりで・・・私みたいに外人の血が混じっていて更にこの髪と瞳の色だと悪目立ちしてね・・・だから自分の容姿がコンプレックスなんだ」


「だからこそトーコの容姿を見ても普通に接してくれたその先生を敬ってるんだ」


「うん」


「しかしトーコの容姿の話を聞いてるとシンパシーを感じるなぁ」


「そうなの?」


「うん。だってさ周りをよく見回してみなよ」


そう促されたトーコは周囲を観察してある事に気が付きます。


「そういえばこの国の人々の容姿は私に近い人ばかりだ・・・あっ!」


「そういう事、私もこの見た目で昔から周りに色々と言われて来たからね。でも一人、私にとって唯一のそして最高の親友だけがこの容姿をありのまま受け入れてくれた」


「その親友さんの事、大切に思ってるんだね」


「うん。今は事情があって離れ離れになってるけど・・・この世で一番の友人である事に変わりないよ」


 故郷におり、未だ病魔と戦い続けている親友のクリスの事にしみじみと思いを馳せつつも、更にトーコとの会話を続けていきます。


「そういえばさっきあのゴロツキ共にオドをぶつけようとしてたけど、トーコはどこでオドの使い方を身に付けたの?」


「それは・・・自分でも上手く説明出来ないけど、この世界に召喚された時にはもう身に付いて操作できるようになってたんだよ」


「・・・マジで?」


「うん。他のクラスメートも皆同じで城の宰相閣下や宮廷魔導師様が仰るには私全員、第三階梯?という所まで習得しているという話しなのだけれど」


「・・・」


 二ヶ月の修行でようやく何とか第一階梯をギリギリ修了したトワにとって、トーコの一言は余りに衝撃的で思わず言葉を失ってしまいます。


「だ、大丈夫?少し顔色が悪いような気がするけど・・・」


「・・・ああ大丈夫、大丈夫!それじゃあトーコはもう一人前の立派な機士様なのかな?」


「ううん。私は機士とはまた違う素質があったみたい」


 そう言ってトーコは右腕の袖をまくります。するとそこには簡素ながら美しい装飾が施された金属製の腕輪が身につけられていました。


「それってもしかしてキュケース!そうかトーコは魔導師だったのか!」






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― 新着の感想 ―
[良い点] トーコとトワちゃんのやり取りが面白かったです。一周回れば立場は逆転するという。どこの世界でも人の浅ましさは変わらないという。考えさせられるお話でした。 [一言] 元の世界の住人から転移者を…
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