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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
追放立志編
24/147

星を巡る力 十節

「私の言った通りきっちり成果は出ていましたね・・・とりあえずこれでトワさんは第一階梯を修了した事になります」


「第一階梯?」


「オドの使用及び運用技術は三段階の階梯があり、三段階全ての技術を修了した時初めて一人前の機士と認められるのですよ」


 ヒューはそう述べて更に続けます・・・


「トワさんはその最も基礎的な過程である第一階梯、オドを一日中纏い続け、その量と出力を調整・絞り、体内で練り上げ増大させ小時間維持する。それら三つの技術を見事習得出来たという事です」


「ではこれで私も一人前の機士に近付けたって事ですかね!?」


「まだまだ半人前といった所です。第一階梯を修了したからといって調子に乗らず、益々鍛練を重ね心技体全てに磨きをかけて下さい」


「はっはい・・・」


 そう言って浮わつきそうになるトワに釘を刺したヒューは、渓谷に来る以前から準備していたある物を彼女に手渡します。


「第一階梯修了の祝いであると同時に、その証明になる物です受け取って下さい」


「これってもしかして・・・コルタナですか!?」


 トワはヒューから受け取った金属製の剣を手に取りそう驚きの声を上げます。


「キャバルリーや機士が帯びる剣で、刃はついていなくてオドにより身体強化を果たした機士が振るうだけで絶大な破壊力を生む剣・・・」


「更にオドの扱いが熟達すれば刀身自体にオドを纏わせ、更なる破壊力の増大と凄まじい切れ味を付与させる事も出来ます」


「確か・・・剣の材質はキャバルリーのフレームや装甲と同じファータ鋼材を使用している為に並外れた耐久性と堅牢さを誇る物でしたね」


「そうです。そしてコルタナは機士にとって身分証明のような物なので常に帯剣している事が多いですね」


「でも本当に私みたいな半人前のちんちくりんがこんな貴重な物を頂いてもいいんでしょうかね?」


 コルタナについて座学で学んだ事を確認した後、トワは不安になりヒューに尋ねます。


「構いませんよ。それに来月の半ばぐらいから機士団に見習いとして仮入団してもらうので証明書代わりのコルタナは必要ですから」


「・・・へっ?見習い?仮入団?」


 突如ヒューから聞かされた朗報に対して理解が追いつかないため思わず呆けた声を上げるのでした。


「フム。もう少し喜んでもらえると思っていたのでが・・・もしかして不服でしたか?」


「いや、そういう訳では!ただあまりに急な話しだったので、まだ頭と気持ちの整理がついていない感じです」


「なら仕方ありません。その事についてはこれからおいおいと・・・」


 そうヒューがトワに説明しようとした刹那--


 バリバリバリバリィィィィ!!


 夕暮れの空を切り裂くかの様な爆音が渓谷いやハイライン王国全土に響き渡り、強烈なオドの奔流が押し寄せます。


「うぐっ!!」


「つっ!」


 二人はその奔流に耐えつつ、咄嗟に爆音とオドの源の方に向き直ります。


 するとそこには王都、正確にはその中心にある王城の上空に金色の光を放つ幾何学模様が浮かび上がっていました。


「あれは・・・魔導師達が使用する魔法の術式・・・でしょうか?」


「そうですね・・・しかしあれだけ巨大で強力な術式は私も初めて見ます。一体王城で何が起きているのか・・・」


 質問をしたトワもそれに答えたヒューも、眼前に広がる常識外れの光景を見て唖然としつつも言い知れぬ不安を不安を抱くのでした・・・

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― 新着の感想 ―
[良い点] めでたい場面でとんだ茶々が入りましたね。コルタナの説明と、ここまで至ったトワちゃんの頑張りをおもい、感慨深かったのですが。 [一言] 何が起きたのか、とても楽しみです。
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