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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
追放立志編
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星を巡る力 五節

「もしかして・・・不用意に物や人を壊さない、殺さない為に身に纏ったオドを調整・絞る技術を習得するのは必須という事でしょうか?」


「無論それもありますが、オドを極限にまで絞る事により、オドの消費と疲労を抑え、かつオドを再吸引し気配を薄める事がこの修行の最大の目標ですね」


「へえ~って、今更ですけどオドは消費されるモノなんですか?」


「そうですよ。何よりオニゴトを行った際にトワさんは大量のオドを放出・霧散・消費した事により意識を失ったじゃないですか」


「あ」


 そう間の抜けた声を上げて、トワはオニゴトの際に自身の灰色のオドが大量に霧散した事により体力が削られ意識を失った事を思いだします。


「人間を含む全ての生物は生きている限り、オドが全く無くなるという事はありません。しかしオドの保有・貯蔵量には限りがありそれを越えてオドを消費した場合、オドは著しく弱くなるか量を回復させる為に使用者を無理矢理休ませようとする力が働きます」


「・・・だから私はあの時ぶっ倒れたのか」


「そうです。そしてそれらの作用はただオドを纏っている時でも同じで、今こうしている間も私や貴女のオドは非常に微量ながらも消費されているのですよ」


 常にオドを纏っているヒューが、再び例の呼吸を始めオドを纏い直したトワに語ります。


「成程だからオドを絞る技術も必要という事なのか」


「必要不可欠でメリットの多い技術ではありますが、致命的なデメリットもまた存在します」


「デメリット?」


「・・・オドを絞り気配を薄めれば敵に察知される可能性は低下します。がその状態で敵の、しかも機士に発見され先に攻撃を受けた場合どうなるとおもいますか?」


「身に纏ってるオドが薄く防御力が低下しているから・・・大ダメージを喰らいますね」


「それだけなら運が良い方でしょう。大抵の場合は相手の一撃で死にます」


 ヒューはトワの認識の甘さを窘め、機士同士の戦闘の過酷さを彼女に告げます。そして・・・


「トワさんの習熟度を見るに、一連の修行は屋敷の施設だけでは時間が掛かり過ぎると思われるので、ここから先は場所を変えて修行を行っていこうと思います」


「はい質問。一体どんな場所で行うんですか?」


「まあそれは着いてからのお楽しみという所です」


 ヒューはトワの質問にそう意味深に応えるだけでした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] オドの扱いの難しさがよく伝わってくる場面でした。戦いに身をおいてきたヒューとトワの認識の差も読んでいてしっくりきて面白かったです。 [一言] 次なる訓練場所がどのような場所か、とても楽しみ…
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