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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
追放立志編
18/147

星を巡る力 四節

「ようやくコツを掴んだようですね」


「うわっ!ビックリした!」


 トワが例の呼吸法を続けオドを安定して纏っていると・・・以前と同じで全く気配を感じさせる事なくヒューが唐突に、しかも修練場の天井に立ったまま声を掛けてきました。


 そしてその事についつい驚いてしまったトワは呼吸を忘れオドを霧散させてしまいます。


「てっ天井にぶら下がって・・・いや立ってる!?」


「オドを纏う技術の応用ですよ。しかしこの程度の事でオドを乱して散らしてしまうとは、まだまだ鍛練不足ですね。何があっても動じずオドを纏い続けられるようより一層励んで下さい」


「了解しました」


「あとそれから、オドを纏った状態でコレを握ってみて下さい」


 天井から降りたヒューはそう言うと、手に持っていた銀製のナイフとフォークをトワに手渡します。


「・・・えっ?」


 ヒューに言われた通り、手渡されたナイフとフォークをオドを纏った状態で握ると・・・まるでチリ紙を丸めるが如く何の抵抗もなく二つの物が原型を留めない程に変形してしまいました。


「そんな・・・あの銀製の硬い食器がこうも簡単にグニャグニャになるなんて!?」


 トワは自身のやった事に驚きと軽い恐怖を覚えました。


 そしてそのその様子を眺めていたヒューは極めて真剣な表情で彼女に語りかけます。


「この力こそ機士が一般の人々から化物、殺戮兵器と呼ばれ畏敬の念を持たれつつも忌み嫌われ恐怖される理由です」


「オドによって強化されたこの力は・・・使い方一つでとんでもない結果を生んでしまうという事ですか?」


「今トワさんが軽く握ったのがナイフやフォークではなく、オドを知覚出来ない一般の人だったら・・・一体どういう結果になったでしょうね」


 ヒューの一言にトワは思わずその場面を想像してしまい、背筋に悪寒が走ります。


「どうやら理解してもらえたようですね。なのでこれからはオドを纏い続ける技術と、更にその纏ったオドの量を調整・絞る技術を習得する修行も並行して行っていきます」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 車の運転の仕方を知らないのに、高速道路で運転するしかなくなったかのような状況ですね。トワちゃんの緊張と驚きがよく伝わってくるとともに、ヒューさんの言う、機士としての責任が生じることもよく分…
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