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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
追放立志編
16/147

星を巡る力 二節

「ところでトワさんはオドという存在はご存知ですか?」


「いえ、知りません。初めて聞く言葉です」


「そうですか。まあ言葉で説明するより実際に見てもらったほうが解りやすいでしょう」


 ヒューはそう言って通常とは異なる方法で呼吸を整えると、体全体に青白い光を纏わせてみせるのでした。


「これって前にヒューさんがオニゴトの時に見せた光!」


「そうこの光こそがオド。ドラッヘに住まう生きとし生ける者、あるいは万物全てに宿る一種の生命エネルギーで、精気とかオーラとも呼ばれています」


(なる程、以前から自分にしか見えていないと思っていた光の正体はオドって言うのか)


 トワは故郷の遺跡でドラゴンから電撃を喰らった後から見えていた光が、目の錯覚でも病気による幻覚で無い事を知り安堵しますがしかしそれと同時にある疑問も覚えます。


「この世界の全ての人間や物にオドが宿っているとしたら誰でも機士になれるんですか?」


「よい質問です。確かにオドはこの世界の人間に全てに宿っていますが、大半の人々は微弱なオドしか宿しておらずしかも直ぐに大気中に霧散させてしまう為にオドの存在にすら気付けないのです」


「それじゃあ普通の人々より、多くのオドを宿している人だけが機士になれる可能性を秘めているって事でしょうか?」


「はいその通りです。更に厳密に言うなら機士になる人間は大量のオドを宿して生まれてくる場合が大半で、後天的に大量のオドを宿すといった事例はほぼ皆無です」


 自分が特殊な経験によってオドを後天的に宿らせたかもしれない事を知ったトワは少し不安を覚えますが・・・


(まあ気にしても仕方ない。なるようにしかならないよね)


 そう前向きに捉えるのでした。


「話が少し脱線しましたが、このオドという存在を認知し自由自在に操る事が出来るようになって初めて一人前の機士といえるでしょう」


 オドについて基本的な説明を終えたヒューは、次に基礎的な修行方針をトワに提示します。


「さしあたってトワさんにはオドを全身に纏い、それを長時間継続するという修行を行ってもらいます」


「長時間とは一体どれくらいですか?」


「最初は三十分から一時間程、最終的には一日中、眠っている間ですら纏い続けてもらいます」


「オドを纏う。纏い続けられる事によって得られるメリットとは具体的に何があるんですか?」


「肉体機能及び強度、それに心肺機能が桁外れに向上し常人とは比べ物にならない化物になるという事です」


 トワの質問に対しヒュー硬い声音でそう応えます。


「ふうん・・・でもただ纏うだけなら簡単に出来ちゃいそうな感じはしますけど」


「フッ、それはどうでしょうね。まあとにかく実践してみて下さい」


 ヒューは意味深な笑みを浮かべつつトワにそう促します。


「それじゃあやってみせます・・・フン!」


 トワはそう気合いを入れてヒューがやってみせた事の見よう見まねで、自身の灰色に光るオドを放出し体全体にまとってみせますが・・・数秒と経たず霧散してします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ヒューさんとトワさんの修行風景が目に浮かぶようです。丁重だけれども容赦のなさそうなヒューさんが良いですね。本当に教官らしくて。教え方、説明の仕方も分かりやすくて良かったです。 [一言] 難…
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