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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
竜圏の聖域
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業と技 第六節

「さて場は整った。早速伝授を始めよう二人ともまず利き腕に多くオドを集中させてみて」


「「了解」」


 トワとマルグリットはそう答えるとオド総量を10として、早速身体全体に2から3、利き腕に7から8ほどのオドを集中させます。


「よしじゃあ次はその状態で手刀を地面に向かって繰り出してよ。またその際に腕はしっかりと振り切ってね」


 二人はヒメの言葉にしっかり頷くと、言われた通りに利き腕にオドを集中させたまま手刀を振り切ります。すると--


 ザンッ!


 凄まじい音と共に空気が揺らめき、二人が手刀を叩きつけた地面に深い亀裂が生じました!


「そうそう、そうやってオドを集中させる事により腕を振るう。又は振り切る速度がほぼ音速に達し衝撃波を生み出しているから、そんな現象が発生するのさ」


「なる・・・ほど確かにこれは凄いや」


「あっ、ああ本当に自分でやった事なのか疑いたくなる光景だ」


 ヒメの説明を受け自分達が起こした現象を知った二人は驚き戸惑います。


「フム、まずは基本の型の一つ裂空は二人とも完璧に出来ているねぇ・・・なら次は先程と同じ要領で目の前にある岩を砕いてみてよ」


 ヒメがそう言うと二人の眼前にいつの間にか約四十メートルの高さがある巨岩が現れていました。


「なっ!?いっ、いくら先程の威力の手刀を振るってもこんなデカい岩は砕けそうにないんですが・・・」


「まあこれを砕くには少しコツがあってね、それが何だか解るかい?」


「う~ん腕を振り切って発生させる衝撃波では、深い亀裂を生む事は出来ても完全に砕く事は出来ない。ならどうすりゃいいんだ?」


「腕を振り切る前に発生した衝撃波を何とかして広範囲に叩きつける・・・とか?」


「正解。更に補足すると手首を始め腕全体を捻り力を調整し、掌を使い範囲を広げるとより効率的に衝撃を広げれるのさ」


「成程・・・なら早速実践してみますか」


 マルグリットの解答に更なる工夫が必要と答えたヒメの言葉を聞いたトワとマルグリットは早速その助言に従い技を実さます。


 ドドンッ!パァン!!


 二人の放った強力な衝撃波により、目の前にあった巨岩はコンマ数秒のうちに粒子レベルまで粉砕されてしまいました!


「さっ、さっきも凄かったけど、こちらは更に上をいっているなぁ」


「そっ、そうだな確かに竜伎様の言われた通り凄まじい破壊力だ」


 二人は又も自分達の起こした現象。一瞬で身の丈より遥かに巨大な岩を破砕した事に言い知れぬ恐怖を感じます。


 そんなトワとマルグリットを眺めつつ、二人が何を感じ恐れているのかを見抜きつつもヒメは修行の段階を上げて行きます。


「二人とも二つ目の基本の型である掌破もあっさり身に付けられたね~では次はこの基本の型二つを上手く組み合わせ、超強力な衝撃波の嵐を生み出してもらいますかね」


「裂空と掌破だけでも凄いのに、それらを組み合わせたら一体どれだけの威力になるだろ・・・」


「おや?おかしな事を言うね。トワ君はその組み合わせ技を最低でも2~3回くらっているじゃあないか」


「私が・・・ってまさか?」


「そうそのまさかだよ」


「衝撃斬・・・か」


 トワはハイライン王国での一騎討ちにレイラン国境での戦闘、更にギニー山脈での戦いを思い出し背中に冷たい汗を流しながらそう小さく呟きました。

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