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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
竜圏の聖域
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キャバルリー、その起源 第七節

(これがバリウス・フレーム・・・骨格だけの状態でもかなり大きく、更に大量のオドを保有しているのが解る)


 整備台に固定されたティタンを見上ながらトーコは心中でそう感想を洩らします。


「さてこのティタン、というよりバリウス・フレーム。骨格が大型化した事により重装甲・重装備を施せる様になったが・・・それ以外にも利点が幾つか存在する。それが何か解るかな?」


「はい。それはフレームの大型化に伴い装備出来る装甲の種類が増え、同じフレームでも装甲のみが違う機体を幾つも生み出した点です」


「またそれにより用途や戦術に合わせた様々なバリエーションの機体が生産・運用されていると戦史の授業で教わりました」


「それとフレーム及び機体の大型化により内部構造に余裕が出来た為に、そこを利用し特殊な機構を持つ追加武装を装備している機体も存在すると、今も整備の現場にいる院生から聞いた事があります」


「正解だ。しかし特殊機構を装備する機体や、その機構の説明は各国の軍事機密に深く関わる為にこの場では詳しく話せないがね」


(成程。フレーム及び機体の大型化はパワーや装備の面だけでなく、他にも様々な利点をもたらすって事ね)


 研究生達とハンスのやりとりを静かに、しかししっかりと聞いたトーコはバリウス・フレームの利点と強みを理解します。


「とまぁ、先程からこのフレームの長所や利点ばかり上げられているが・・・当然の事ながら短所や欠点も確実に存在する。それが何か答えられるかな?」


「はい。まずフレーム及び機体とそれに装甲の大型化に伴い、一機あたりに使用するファータ鋼が増加した点が上げられます」


「それに比例し、機体のイニシャル・ランニングコストも増加して大国の正規機士団や潤沢な資産背景を持つ勢力や組織にしか運用出来なくなってしまったとも学院の資料で読んだ事があります」


「更に関節部や特殊機構装備等の機体各部の構造が複雑化した事により、整備性がクサントス・フレームに比べ若干低下し、それに合わせ機体の稼働率もやはり低くなったと文献に記されていました」


「概ね皆の言う通りだが・・・更に付け加えるなら機士団及び傭兵や武装勢力等に流れるファータ鋼が一気に増加した為に民生用に流れる分が減り、また値段も高騰した為に市民階級の人々では中々ファータ鋼を使用した良質な製品を入手しづらくなった点も上げられる」


 研究生達の言葉を聞き、ハンスは少しだけ憂鬱そうにそう話ます。

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