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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
竜圏の聖域
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キャバルリー、その起源 第二節

「これは凄い。以前ハイライン王国のキャバルリー専用格納庫に入った時もとても広いと思ったけれど・・・ここはそれよりも更に広く、床から天井までの距離もとんでもなく高いや」


 研究科のある施設に入所したトーコは、受付にいた職員に案内され研究・実験用のキャバルリーがある格納庫に行き着き、その余りに広大な施設内のスケールに圧倒されます。


「それにしてもドラッヘ一とはいえただの学府に過ぎない学院になんでこんな機材や設備も充実した大量破壊・殺戮兵器であるキャバルリーの研究施設が存在するのかな?正直学問とは縁遠いモノだと思うけれど・・・」


「そんな兵器の類でもこの世界では立派に学問の、研究の対象だ。まあ君の生まれた星の、故郷である国家では過去の戦争の歴史からそれを忌避しているようだがね」


「えっ!?」


 トーコは自身の放った一人言に答える声に驚き、後ろを振り替えると・・・そこには相変わらず不気味ながら、それでいてどこか気品を感じさせる白骨の姿をしたリッチの講師ハンス・オタラがいつの間にか立っていました。


「・・・どうしてその事を?それになぜここに?」


「君の事情は竜伎様から伺っている。それと私は本来魔工師でキャバルリーの設計と開発が本業だ。基礎学科の授業はまあ学院側に請われて渋々やっているのが実情だよ」


 かなり緊張しながら小声で尋ねたトーコに対し、ハンスは周囲に悟られぬようそう冷静に返答します。


「とりあえずこの話はここまでだ、そろそろ研究科のゼミが始まる。君も早く他の研究生達と合流しなさい」


「は、はい了解です」


 ハンスの言葉にそう返答したトーコは早速小走りで他の研究生達が集まっている区画に向かいます。


(研究生の数は少ないけど・・・ここにも沢山の種族がいるのね)


 自身と同じく学院の制服に身を纏った、ドワーフ、ゴブリン、小人族といった様々な種族出身の研究生達を眺めトーコはそう感想を洩らします。


「さて研究生諸君、まずは進級おめでとうこのゼミを主宰するハンス・オタラだ。既に私の事を知っている者もこの中にいると思うが・・・一応名乗らせてもらった」


 トーコ達研究生の前に改めて現れたハンスはそう自己紹介し、話を進めて行きます。


「さてキャバルリーの基礎知識や概要は基礎学科の過程でここにいる皆は学び知っていると思うが・・・では何故、キャバルリーはこれだけ世界中で量産され主力・決戦兵器の地位を占める様になったのか解るかね?」


「はい。キャバルリーの登場以前に主力兵器として用いられた人型機動兵器、ベルフォルマに様々な欠陥があったからと聞いています」


「正解だ。ではその様々な欠陥とは一体何なのか解るかね?」


「キャバルリーと違ってベルフォルマにはアリア・エンジンという動力源なる存在が搭載されていましたが、それが発生する莫大なオド出力により機体の制御が非常に困難であったと文献には記されていました」


「更に違う文献や資料ではアリア・エンジンの発する膨大なオドによりベルフォルマは桁外れの運動性及び機動能力を有していたらしいですが・・・それによってもたらされる殺人的な加速性能に機士達ですら耐えられなかったからです」


(凄い・・・他の皆はキチンとキャバルリーやそれに関連する歴史や知識をしっかり魔なんで来ている。私ももっと事前に下調べや勉強をしておくべきだった!)


 ハンスと他の研究生達との真剣な問答を間近で聞いたトーコはそう自身の勉強不足を痛感します。

 そうしている間にもハンスと研究生達とのやりとりは続きます。

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