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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
竜圏の聖域
121/147

キャバルリー、その起源 第一節

(昨日は色々あって大変だったな・・・)


 朝日の光に眩しさを感じつつ、学院内の敷地を歩いているトーコは心中で呟き昨日の出来事を思い返します。


 学院に通い始めて丁度一ヶ月。その間にトーコは他の院生達よりも早く課題や試験をクリアし、あっという間に基礎学科の授業を修了して一応の希望であるキャバルリー研究科への進級を決めていました。


 そしてその学科での研究において必要な資料や道具等の準備を進めていた時、全身痣だらけで更に流血しその上左腕が骨折し完全に意識を失っている満身創痍のトワが、ヒメ様の私邸内にある彼女と自分にあてがわれた部屋に運び込まれてきました。


 トワの状態を見たトーコは慌てて彼女に回復魔法を施しつつ、傷だらけのトワを運んでくれた甲冑に身を包んだ女性、マルグリットからここ一ヶ月トワに何があったか聞かされます。


(竜伎様・・・トワにドラゴンの、ロッソ様のオドから命を助ける為にかなり無茶苦茶な修行を課しているのね)


 竜伎ミヅナガラヒメがトワに課している、命にかかわる程の厳しい修行内容を想像したトーコは思わずゾッとなり冷や汗をかきますが・・・


(でもトワはそういった追い込まれた逆境の中でも決して諦めず、必ず困難を跳ね返し生き抜いてきた・・・今度もそれが出来ると信じよう)


 そう心に固く誓ったトーコは自身もまたボロボロになりながらも、わざわざトワを運んできてくれたマルグリットにも回復魔法を施しながらある変化に気が付きます。


(このマルグリットという人はどうなのか解らないけど・・・トワの身に纏うオドが以前より力強く、かつそれでいて不安定さが無くなっている・・・かなりの修練を積み重ねたのね。私も負けていられないな)


 トワのこの一月余りの成長振りを間近でしっかりと確認したトーコは自身も彼女に遅れをとってはならないと感じ、今自分に出来る事をしっかりと取り組んでいこうと決意するのでした。


「おっとあの建物がそうか・・・それにしても随分と大きい!」


 昨日の事を振り替えりながら学院の敷地を歩いていたトーコが自身の目指すキャバルリー研究科の建物を発見し、その巨大さに驚きます。


「まあ全高約18メートルもある巨大ロボット兵器の研究を行っている施設なんだからこれぐらい大きくて当然か・・・」


 トーコは眼前に広がる学院の伝統ある建物群とはまた趣が異なる幾何学的な研究棟を目にすると、そう感想を述べ早足で移動し彼女にとっては未だ未知と神秘の塊であるその施設に足を踏み入れるのでした。

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