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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
竜圏の聖域
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新たな修練 第四節

「さて冗談はさておき、トワ君が言った事は正解でオド集中の肝はオドの振り分けにある。早速だが二人共オドを増大させてみてくれないかい?」


「「はい!」」


 ヒメの言葉に同時にそう答えたトワとマルグリットは習得したばかりの技術、身に纏ったオドを増大させ一定時間保つ技を行使します。


「うん。この状態を分かりやすく説明すると、オドの総量が10、そして攻撃が5、防御が5という内訳になる」


「つまり今の状態は攻防の力が均等になっている。という事ですね」 


「そういう事。因みにさっき二人が使ったオド集中は攻撃が10で防御が0・・・だからバカげた威力を発揮できた訳だけど、もし私が投げた大岩がオドを集中させた拳以外の箇所に当たっていたら・・・どうなっていたか解るよね?」


「・・・」


 ニタリと人の悪い笑みを浮かべて言い放ったヒメに対し、トワとマルグリットは更に顔色を悪くして絶句してしまいます。


「さて説明を続けるよ。今の君達の攻防共に10の状態では、お互い攻撃しあっても大きなダメージは与えられない。さてどうする?」


「・・・オドを身体の一ヶ所、攻撃に使用する部位に集中させます。但し集中させるオドは6か7、それ以外は状況の変化を見据えて身体中に纏っておきます」


「そう、そうやってオドを上手に振り分ける事により機士である君達は闘いの場において高度な駆け引きを行っている訳だ」


 マルグリットの答えに対してヒメはそう説明します。


「まあくどくど話をするより実際やってみた方が解りやすい。とりあえず今から私が言う通りオドを振り分けてみせてよ」


「「はい!」」


「右拳に7、身体に3」


 そう命じられた二人は早速その様にオドを振り分けます。

 マルグリットは初めてながら、一切の淀みなくオドの振り分けを実行出来ましたが・・・


「わわっ!?オドが乱れる!」


 一方トワは振り分けようとした途端にオドが乱れてしまいます。


(なっ、何とかしないと!いや・・・そうやって焦るのはよくない。とにかく冷静になって突破口を考えろ私!)


 そう心中で呟き冷静さを取り戻したトワは件の呼吸法を行いつつ、ゆっくりとしかし確実にオドを振り分ける事に成功しますが--


「しっかしトワ君、相変わらずセンスの欠片も無いね。基礎的な振り分け作業に時間を掛け、かつ身に纏ったオドまで不安定になってしまうとわねぇ~」


 ヒメの言いつけ通りに振り分けたトワでしたが・・・初めて行う作業に戸惑ったせいか身体に纏ったオドを乱してしまい、ヒメから辛辣な言葉を浴びせ掛けられてしまいます。


(悔しいけど返す言葉も無い・・・いや今は作業に集中しなければ!)


 ヒメの言葉に対してトワはそう納得し、オドの振り分けと集中の作業に対して力を入れて取り組みます。


 そうしている間にもヒメは二人に次々と振り分け・集中する箇所と数を命じてゆきました・・・

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