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Cavalry Saga キャバルリー・サガ  作者: 雲来末
竜圏の聖域
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基礎学科教室 第九節

 そう言って本日幾度も行っている作業を淡々とこなすとルガーブル大陸の北東の端、ベルモント帝国から海を挟んで更に北東に位置する巨大な一つの大陸が画面上に映し出されます。


(随分と大きい・・・地球のオーストラリア大陸と同じか、いやそれより更に一回り大きい!)


 画面に映し出された新たな大陸の姿を見たトーコはそう驚きます。


「ビゾマフ大公国。地図に示されている通りビゾマフ大陸の全土を領土とする大国で、住民の大半が魔族でありルガーブル大陸とは比べものにならない程の巨大で多種多様かつ凶暴な魔物が多く生息している為にほんの百年前まではルガーブル大陸及びその他の地域の人々から『魔大陸』とか『呪われた大地』などと呼ばれ恐れられてきた」


(恐れられてきたって事は今はそうじゃないのかな?)


 トーコが頭の中で浮かべたそんな疑問に答える様にハンスは大公国について解説を始めます。


「しかしここ百年ばかりは豊富なファータ鉱床に地下資源、更にはビゾマフ大陸にしか生息していない貴重な魔物やその亡骸から採取されるこれまた希少な素材を特産品とし、ドラッヘ中の国家やあらゆる組織に勢力と積極的に交易を行い、それまでの悪いイメージを払拭しつつ更に莫大な富を得る事にも成功している」


 そう言うとハンスは画面を切り替えます。するとそこには漆黒の軍服や甲冑をその身に纏ったオーガ、オーク、ワーウルフ、アルミラージ、リザードマン、ゴブリン等々の魔族が多数のキャバルリーと共に整然と隊列を組む様子が映し出されました。


「その交易の成果と豊富なファータ鉱床を保有している事と、数こそ人族より少ないものの個々が高い能力とオドを有する魔族が大多数存在する為に軍事大国としての側面も持ち、他の大国もここには中々手出し出来ないでいるのも大きな特徴だ」


 ハンスはそう述べるとまたも画面を切り替えます。


「反面、大陸全土がドラッヘ随一の厳しい自然環境と作物がほとんど採れない荒地である事から、魔物やそれを主食とする魔族達以外の種族、特に人族には生きにくい土地ではあるが・・・数少ないながら人間も住んでいる集落や街も存在する」


 そう言い終えるとハンスは教室内をじっくりと見回し院生達の様子を観察すると、ほっと一息ついてから再び口を開きます。


「以上、ドラッヘで大国と呼ばれる五つの国家をざっと説明し、皆には今の世界情勢を多少理解してもらえたと思う。その上で最後にもう一つ、このドラッヘにおいて重要な役割を担っている組織の事を軽く話しておこうと思う」

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