5話。。魔物狩りについて
さて、現状を説明しようか。
俺、ベッドの下で正座。
樞と金髪少女はベッドの上で睨み合っている。
時計の針は7時ちょいすぎ。
「あの、そろそろ足が痺れてきたんですけど。」
その一言にベッドの上の二人は俺を睨む。
こっちを見るな、恐い。
この状況を説明するとこうだ。
俺が土下座で謝ると同時に樞が部屋にどかどかと入ってきて、ベッドから降りろと指で合図してきた。
で、金髪少女を睨んでこう言った。
「消えろ、泥棒猫!」
猫っぽいのは見た目でわかるが・・・・泥棒の意味がよくわからん。
まぁ、金髪少女もそんな悪口言われたらさすがにムカつくみたいで。
「フンッ、下衆が。調子にのるな。」
この口調はあの影と会った時の口調と同じだ。やはり同一人物だったらしい。
と、いうわけで30分間罵倒しながらお互いを牽制してるわけだが・・・・。
雰囲気的に正座をしてしまっている俺の足はかなりやばい状況なわけで。
「あの、とりあえず金髪さん。名前を・・・・。」
樞も名前を知りたかったのか、こくっと頷き名前を言うように促す。
で、俺はそっと足を崩す。
「ぼくの名前は、エリア・ヴァンス。よろしくね。」
エリアと名乗った少女は偉そうに胸をはる。
「ヴァンス・・・・。なるほど、炎神使い〈フレイムマスター〉の娘なんだ。」
「ん?フレイムマスター? 」
樞の一言に俺は眉をひそめる。
樞はこくっと頷くと、すぅっと息を吸い込んだ。
「まず、最初に“魔物狩り”というものについて説明しないとね。」
説明によるとこうだ。
魔物狩りのルーツ、それは昔の昔。人が人として歴史を刻み始めた頃に遡る。
人、という生き物は生きていると、憎しみや嫉妬といった負のエネルギーを生み出す。
それは動物なども同じで、人から殺された動物も負のエネルギーを生み出し、その負のエネルギーを食べて生きているものを“魔物”と呼ぶらしい。
その“魔物”に対抗するべき力を人々は生み出した。
その力は、魔法や霊能力、と呼び名がたくさんあり、もちろん能力の内容も様々である。
その能力用いて魔物を狩る事を魔物狩り、と呼ぶらしい。
で、クリジット・ヴァンス、つまりエリアの父親は、魔物狩りの名手で魔物狩りをする人で知らないものはいないらしい。
ちなみに、炎魔法が得意だったから炎神使い〈フレイムマスター〉と呼ばれていたらしい。
「待て、待て。まず魔物狩りとかそんなRPGにありそうなもんが実際にあるのか?」
だってそうだろ?こんな電波じみた事言われて、素直に納得するやつは頭のネジが2、3本抜けてるとしか思えない。
「あるよ。だって、うちのお父さんとお母さんは魔物狩りを仕事にしてるし。」樞がサラリと言う。
まじかよ・・・・。あの事件以来、つまり9年間一緒に暮らして来たが気付かなかった・・・・・。
まぁ、あの人達は家あけること多かったしな。
「ん、じゃあ、あの誕生日プレゼントは・・・・。」
今思い返せば、誕生日プレゼントでそれっぽいの渡してたな。
「うん。二人から貰ったものは魔物狩り関連のものだよ。」
なるほど、取り敢えず魔物狩りとかいうのは信じよう。
魔物っぽいのには襲われたこともあるし。
「つかエリアだっけ?お前何しに来たんだ?お前がここに居る意味もベッドの中に潜ってた理由もわからんが。」
エリアは、こくっと頷いてこう言った。
「ぼくは、君がほしいの!」
ん?待て、今なんて言った?君がどうのこうのとか・・・・。
「つか、お前喋り方変わるな。今のが素なのか?・・・・つか、今なんて言った?聞こえなかったんだが。」
エリアは頷くと、「今の喋り方がぼくの素だよ。あと、聞こえなかったならもう一度言ってあげる。」
エリアはすぅっと息を吸い込み高らかと言い放った。
「ぼくは君がほしい!!」
すんません。自分、ぼくっ子大好きなんで一つの小説に一人は絶対いれちゃうんですよねw