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えらべっ!  作者: 璃瑠@
4/7

4話。。金髪


夢。



夢を見た。



一人の子供が黒い影と戦う夢。



その子供は懸命に戦うが影はとても強く、容赦がない。



それでも全力で戦う。プライドのために、そして・・・・殺されて両親のために。



その子供は、俺と同じく両親を影に殺されているようだった。



悔しい、悲しい、辛い、苦しい。

子供の感情が俺に流れてくる。






「・・・・夢か。」



どうやらさっきのは夢だったらしい。



あまりにもリアルな夢だった。



流れてきた感情があまりにも大きく、俺は耐えられず起きたらしい。



俺は、額の汗を拭い、枕元に置いてある時計を見る。


「6時・・・30か」



今日は学校だし、いつもより少し早く起きたと思えば丁度いい。



俺は顔を洗うべく体を起こそうとベッドに手をつく。


「ふにゅ」

何か柔らかいものに触れたみたいだ。



そんな物あったかなぁ、と思いつつなぜか見るのが恐い、というか嫌な予感がしたので手触りを確かめる。


「ふにゅ、ふにゅ」

柔らかい。よく触ってみると、なだらかな丘みたいになっているようだ。



「・・・んっ」

艶めかしい声がする。

俺は恐る恐る手元を見る。


そこには金髪の少女が横たわっていた。

しかも俺の手はその少女の胸元にあるというよくあるパターン。



「・・・・夢、か。」

俺は、ふわぁと欠伸をするともう一度寝るために布団をかぶる。



そして横に寝ている金髪少女の顔をよく見る。



端正な顔だち。身長はそんなに高くないらしい。

幼い顔だが、どこか大人びている。



そしてめっちゃいい匂いがする。



なんていい夢なんだ。

神様GJ。



俺は、甘い匂いに耐えられず金髪少女をギュツと抱く。



・・・・・・ここで問題発生。



問題1。リアルな感覚。どうやら夢じゃないらしい。


問題2。金髪少女の目が開いてこちらを見ている。



問題3。起こしに来てくれたのであろう樞の視線を背中に感じる。



問題4。樞からの視線が殺気に変わっている。



さて、どの問題を最初に解いたものか。



俺は金髪少女から手を放すと、何事もなかったかのように寝たふりを開始した。


「ふ〜ん。お兄ちゃん、誤魔化すんだ。この状況を。」



樞からの殺気が2倍増した。



「ほら、早く起きるの。早く起きないと・・・・」


ん?なんかこいつ昨日と言葉遣い違う気が・・・・。顔はよくわからんがたぶん同一人物だと思ったんだが。



ぺろっ。

金髪少女の行動に俺の思考は停止した。



ぺろっ、ぺろっ。

金髪少女は俺の頬をぺろっとなめている。



妹からの殺気がやばいことになっている。



何?この状況!?誰か助けてくれよ!



俺の心の叫びなんて誰にも届かない。

俺に出来ること、それは・・・・。



「ごめんなさい。」



素早く起き上がって土下座をすることくらいだ。


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