誤用だ、誤用だ! に、ちょっと疲れちゃった話
あいかわらず、思い付きと勢いだけで、書き散らかしている猫です。
特別に、文章を書く勉強とか、したことがなかった猫は、実は、慣用句とかもよく知らない。だから、ふんわりとした記憶とか、なんとなくの印象で使ってしまっていることも多いのです。
で、誤用という問題が出てくるわけです。
つい最近、「なろう」内で、誤用についてのエッセイを読む機会がありました。
猫も相当やらかしてるんだろうな、と思いつつ、誤用に関して、妙に潔癖な人と、あまり気にしない人といるよなぁと。ちなみに猫は、あんまり気にしない。けど、気になる言葉も無くはない。という感じ。
よく、誤用警察に取り締まりを受けているのは、「的を得る」。「的を射る」が正しいのは分かってるけど、意味が通ればいいんじゃない? と思ってしまうので、待ってましたとばかりに、「はい、そこ! 間違った使い方しない!」ってコメ入れてる人の方が痛く感じてしまう。
ただ、意味が通ればいい、に関して、それこそ、読ませていただいたエッセイに書いた感想がきっかけで、ちょっと考えることになっちゃったのです。
それは、「ほっこりする」という表現のことなのです。
猫は、「ほっこりする」という言葉を見た場合、心が温かくなるとか、ホッとするとか、休まる感じがするとか、そんな意味と受け取っておりました。どちらかというと良いイメージの言葉だと、ずっと思っていたのです。
が、仕事の関係で数年間、福井県で生活をしていた時期がありまして、地元の人の言う「ほっこりする」が???な使われ方だったのです。
実はいまだにはっきり理解できているわけではないのですが、福井県の人の言う「ほっこりする」は酷く疲れるとか、つらいとか、そういう意味合いで使われているようだったのです。
あれ? なんだか反対の意味で使ってない?
ちなみにネットのgoo辞書を見ると、
【ほっこり】[副](スル)
1 いかにも暖かそうなさま。ほかほか。
2 ふくよかなさま。
3 つやがあって鮮やかなさま。
と、なっておりました。
全国津々浦々をまわって調べたわけではないので、これまた印象でしかないのですが、「ほっこりする」を、疲れるとか、つらいとかいう意味で使っているところ、福井県が初めてだったのです。
実際、かなり驚愕しました。
で、エッセイの書き手様の返信を読んで、さらに驚きの事実を知ることになりました。
なお、書き手様は、猫と違って、ちゃんと大学で日本語を学問として修められている方のようです。
実は、福井県で使われていた「ほっこりする」の方、つまり、疲れたとか、つらいとかいう意味の方が正しい使われ方で、今、大半の人が使っている、暖かそうなとか、安らぐとか、そういう意味合いで使っているのは、まさしく誤用なのだ。ということでした。
「ゆっくり」とか「まったり」に語感が似ていたために、間違って使われるようになったのでは? ということです。
いや、誤用の方が勢力強くなり過ぎて、正しい使い方をしている方がおかしな感じになっちゃう。
それはそれで、切ないですねぇ。
でも、きっと、誤用警察の方も、「ほっこりする」の使い方がおかしいといって取り締まったりはしないだろうし、たぶん大半の人は、そんな事実があることすら知らずに終わるんだろうと思う。
ネット辞書とはいえ、もう、本来の意味が載せられていないのだもの。
言葉って難しい。
誤用に関しては、あまりとげとげしい遣り取りは好きじゃないのですけど、日本語の変化の中で、本来の意味とは反対の意味で使われる言葉もあるのだと、誤解を招かないように注意する必要があると、感じた猫でした。




