猫のしっぽはネジネジ~曲がっているのはおへそかもしれない~【後編】
猫のしっぽはネジネジ~曲がっているのはおへそかもしれない~、の後編です。
想像上の生物ユニコーンの角には水を浄化し、毒を中和するという不思議な特性があるそうです。
だけど、実際は、北海に生息するイッカクの角。
いえ、あれ、実は角じゃないそうです。牙なんだそうです。
雄のみがあの長い角状の牙を持っているんだとか。で、牙は歯が変形したもの。イッカクの歯は上顎に2本の切歯があって、雄では左側の切歯が長く伸びて牙になります。
牙は、上唇を貫き(!)、前方に突き出す形になるそうです。
い、痛くないのかな? ちょっと、かわいそうだよね。この目立つ牙のせいで乱獲されちゃったんだし……。
ちなみに、この牙、左ねじ方向の螺旋状の溝を持っています。1回折れちゃうと、再び伸びることはないそうです。
蔓植物の蔓。
蔓はほとんどの場合、茎が進化したもので、その巻き付く方向は植物種により右巻きか左巻きのどちらかに遺伝的に決まっています。
巻き方向の左右性は、植物の生育条件や生育場所(北半球や南半球)には影響されず、その植物種固有の性質とされています。
あと、上から見るか、下から(成長する方向に向かって)見るか、で巻きの方向の表現が逆になるんですよね。あたりまえだけど。
実は呼び方が統一されていないらしく、昔は支柱を上から見下ろした時に右向きに巻くものを右巻きということが多かったようですが、次第に支柱の側面を見たとき左から右に巻いていくものを右巻きと呼ぶように変わってきています。
しかし、それでもまだ完全に統一はされていないそうです。
サイトによっては、“右巻き・左巻き”という表現はせず、“Z巻き・S巻き”と表現しているようでした。
アサガオ、ヒルガオ、アケビ、マタタビ(!)、キウイフルーツ、葛、大豆、ヤマフジはZ巻き。
スイカズラ、ヘクソカズラ、ナツフジ、ノダフジ、ツルリンドウはS巻き。
植物によっては、両方の巻き方をするものもあるようです。
これまた、ややこしい。
アサガオの蕾も螺旋。
上の蔓の定義に合わせると、S巻き。
開花は花弁の急激な成長によって起こるのですが、1枚の花弁でも、内側の成長速度の方が外側の成長速度よりも速いのだそうです。このような偏差成長のために、花弁は外側に反りかえりながら成長するので、結果として蕾が開きます。
あの蕾、何かに似ていると思ったのですが、折り畳まれた傘なんですよね。
いや、折り畳まれた傘が、アサガオの蕾に似ている。が正しいか。
ネジバナ。
猫が、子供の頃、公園などの芝生が植わっているところで、よく探したのがネジバナ。
あれを見つけると、なんか得したというか、嬉しかったんですよね。
ネジバナは、ランの仲間だそうです。
Z巻きとS巻きの両方があり、中には花序がねじれない個体や、途中でねじれ方が変わる個体もあるとか。Z巻きとS巻きの比率は大体1対1。
花色はピンクだけれど、ごく稀に白色のものも。
一般にラン科の植物は菌類の力を借りて発芽し、その菌類を根の中に取り込んで特殊な根(菌根)をつくり、菌類がつくる栄養分を吸収して成長します。
ネジバナも同様で、その菌根形成にかかわる特定の菌類が芝生の生育する場所に多く存在するため、芝生が植わっているところで見つかりやすいのだそうです。
ネジバナは別名モジズリ。
捩摺というねじれ乱れた模様を染めた絹織物に由来するとされています。
百人一首の河原左大臣の歌『陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに』の“もぢずり”です。
いろいろな螺旋。不思議で魅力的で吸い込まれてしまいそうな感じがするのは、DNAのせいなのかもしれません。
3次元ではなく、2次元(平面)の場合は“螺旋”ではなく、“螺線”と書くみたいですね。
螺旋と螺線、ごっちゃにしてるかも……。
螺線の方だと、タツノオトシゴのしっぽとか、チョウの口とか。
よくイラストなどで、カメレオンの舌が渦巻き状に描かれていたりするけど、あれは、間違いらしい。
螺旋の方では、ヘリコバクターピロリ菌っていうのがいましたね。あれ、螺旋型の菌なんです。
“ヘリコ”バクターなんです。
アオミドロっていう藻は、細胞内の葉緑体がリボン形で螺旋状に配置してたはず。
まだまだ、たくさんありそうです。




