猫のしっぽはネジネジ~曲がっているのはおへそかもしれない~【前編】
「なろう」にユーザー登録して、そろそろ3か月になります。
あいかわらず、思い付きと勢いだけで、書き散らかしています。
当初の目的だった連載は、何とか完結させられたので、あとは、何というか、ゆっくり楽しもうと思います。
3月になって、またもや他のユーザー様の企画に参加させていただくことにしました。
企画は、おそらく、自発的には書かないであろうテーマとの出会いがあるので、楽しいです。
猫は、「螺旋」をテーマに書くという企画に参加しました。
螺旋、3次元曲線の一種で、回転しながら回転面に垂直成分のある方向へ移動(上昇または下降)する曲線。
螺旋の螺は、巻貝の貝殻のこと。
螺旋という言葉でまず思い浮かぶのは、DNA、デオキシリボ核酸。
DNAは、地球上の多くの生物において遺伝情報の継承と発現を担う高分子生体物質です。
そして、二本鎖DNAでは、2本のポリヌクレオチド鎖が反平行に配向し、右巻きのらせん形態をとっています。
そう、右巻き。
地球上の生物でDNAを介して自己複製する種にとって、その自己複製に必要なDNAは全て右巻きなんだそうです。
それは、最初に自己複製を行った生命体が、右を選んでしまったから。
一応、左巻きのDNAというものも、存在はしています。
Z-DNAと呼ばれているそれは、アルツハイマー病や膠原病の一種に関係していることが知られているそうです。
自然界には、多くの螺旋が存在しています。
名前の由来になっている巻貝の貝殻。
生きている化石オウムガイ。
化石と言えばアンモナイト。
水晶。
羊さんの角、そしてなぜか悪魔の角。
ユニコーンの角、そしてイッカクの角。
蔓植物の蔓。
アサガオの蕾。
ネジバナ。
巻貝の殻は左巻きと右巻きがあるけれど、9割の種が右巻き。そして左巻きの種の9割は陸生や淡水性らしい。
カタツムリは陸生ではあるけれど、多くは右巻き。
オウムガイは、タコやイカに近い生物らしく、巻貝に外観が似た殻を持っているけれど、あれは、巻貝のそれとは違って、内部には規則正しく仕切りが作られ、細かく部屋に分けられています。
もっとも出口に近い部屋が広く、そこに体が収まり、奥は空洞。
空洞の部分にはガスと液体が入っていて、浮力の調整をしています。
ただ、液体の塩分濃度を変化させることで浸透圧を変え、水分を隔壁内外へ移動させる事で容積の比率を調節しているため、かなりゆっくり調節。
ガスの詰まった殻内部の容積を調節して浮き沈みする仕組みは潜水艇と同様。
ちなみに、オウムガイの英名はノーチラス(Nautilus)。
アンモナイトは、古生代シルル紀末期から中生代白亜紀末までのおよそ3億5000万年前後の間、海洋に広く分布し繁栄した頭足類の分類群です。
オウムガイに近い種だと推測されているようです。
北海道が、世界的産地の一つとして知られているんだって。
水晶も螺旋構造を持っています。Si原子は3個分で1周する螺旋を描いて結合するのです。
ここで、ややこしいのですが、結晶学的に右巻きのものは光学的に左旋光性を持つため左水晶と呼ばれています。
逆に、結晶学的に左巻きのものは右旋光性を持っているので右水晶と呼ばれているのです。
う~ん、ややこしい~。
むか~し、化学の時間にやった光学異性体ってヤツだよね。
羊さんの角。
螺旋を巻きながら直状に伸びた角をラセン角、渦巻き状に丸く成長する角をアモン角と呼ぶそうです。
あれ、なぜだか、悪魔の絵にも同じ角が描かれますよね。
羊さんて、“迷える子羊”なんて表現があるくらいだから、神様の庇護のもとにありそうなのに、なぜ悪魔に同じ角?
と思ったら、あれ、羊さんじゃなくて山羊さんの角らしいです。
『新約聖書』には、“羊=良きものの象徴”で“山羊=悪しきものの象徴”とする表現があるらしく、その名残みたいです。
キリスト教に先行する土着の宗教の神、異教神を邪神としたことが、根底にあるようです。
そういえば、ギリシャ神話のパン、エジプト神話のアモンは山羊の姿で描かれてますね。
山羊さんも、神様になったり、悪魔にされたり、大変です。
ちょっと長くなったので、前半はここまでにします。