青い春が産まれて来ない
「この子がいづれオレ達の鍵となる」
木造住宅の中、暗闇に身を隠している男は隣にいる女に囁く。
「ええそうね・・・」
女の居場所のなかった手は男の手を握る
「・・・わたしの可愛い赤ちゃん。大きく育つのよ」
そう言うと男と女は名残惜しそうに去っていった。
産まれたばかりの赤子を置いて・・・
ざあああああああああああああ
【七年後】
ここは森の中。
地面には新葉と枯れ葉が混ざりあって萎びている。
川の流れが聞こえてくる方では、なにやら少年が川魚を狙っていた。