【序説】「前作のおさらい」
この物語は、前作『オレンジシティー物語』の続編です。
エマとテオの恋愛譚を未読のかたは、以下のURLからご覧になることをオススメします。
https://ncode.syosetu.com/n9815ez/
いや、そんな時間は無い、というお忙しいかたは、この先のまとめをご覧くださいませ。
ただし、前作の盛大なネタバレが含まれていますので、あしからず。
・オレンジシティーとは?
快晴と温暖な気候に恵まれた街で、大陸各地からの汽車が集まるターミナル駅を中心として、放射線状に石畳の道が整備されている。
全体的な印象としては、どこかパリとアムステルダムを足して二で割ったようなイメージを想像させる、色彩豊かで、華やかな賑わい溢れる街。
・登場人物
①エマ(Emma)
十六歳。南国の海沿いの街で生まれ、魔女見習いとしてオレンジシティーへやってきた。庶民派。
本来はパーマっ気のある赤毛と、そばかすの浮いた顔をしているが、故郷以外では、魔法で金髪碧眼の美少女に変身している。
ただし、一度だけテオを助けるために、オレンジシティー内でで変身を解いたことがある。
②テオ(Théo)
十八歳。北国の鬱蒼とした森に囲まれた邸宅で生まれ育ち、騎士候補生としてオレンジシティーへやってきた。
スカイブルーの髪と、オーシャンブルーの瞳が特徴。左利き。基本的には訓練学校にいるが、後述するドミニクにそそのかされ、一緒に脱走するはめになりやすい。
階段から転落して意識不明になるが、エマに助けられた。そのエマとは、恋人関係にある。
③アラン(Alain)
三十五歳。エマの下宿先であるカフェ「珈琲館」のマスター。癖のある黒髪で、最近は若白髪が目立っている。
めったに客が来ないため、自分用にドリンクやフードを用意したり、庭でハーブを育てたりしていることが多い。
後述するクロエの父であり、マリーの兄でもある。教団の横暴により、妻を亡くしている。
④クロエ(Chloé)
六歳。アランの娘。平日は、カフェの近くにある幼年学校に通っている。栗毛で、片目の下にある泣きぼくろが、チャームポイント。
人見知りしないタイプであり、また好奇心旺盛で、疑問に思ったことは何でも身近な人物に質問する。
⑤マリー(Marie)
二十七歳。アランの妹。西の高台に、廃材を再利用したアトリエを建てて暮らしている。職業は画家。
髪を紫に染め、目の下には、たいていクマが浮いている。ハッキリものを言ってしまうタイプで、上下関係や順位付けを嫌う。
⑥ドミニク(Dominique)
十七歳。飛び級で訓練学校に入ったテオのルームメイト。東の島国から船でオレンジシティーへやってきた。
緑髪で、褐色の獣耳と、自由意思で消すこともできる尻尾を持ったリス獣人。テオを振り回すトラブルメーカー。
実家は大商売をしていて、そこそこ裕福だが、古くさいしきたりが多い。事情があって亡き双子の弟のフリをしているが、女の子である。
⑦パスカル(Pascal)
十六歳。エマと同じ南国の海沿いの街に暮らす漁師。エマとは幼馴染。赤毛で筋肉質。血の気が多く、喧嘩っ早いという難点がある。
金髪美女がエマであるとは、気付いていない模様。
⑧イザベル(Isabelle)
十八歳。テオと同じ北国で生まれ育った公女。テオとの昔の約束を盾に取り、婚約者を自称している。青髪で巨乳。
貴族としてのプライドが高く、傲慢な態度をとることもしばしば。
⑨アデリー(Adélie)
十六歳。花屋の看板娘。蒼髪蒼眼のお茶目な少女。お喋り好き。
この他にも、エマの両親、テオの両親と屋敷の執事、パン屋の婦人やブティックのオネエ青年などが登場しているが、いまのところ個人名は明らかになっていない。