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異世界デュエリスト~俺だけが命がけのカード召喚士~  作者: えっくん
たくさん召喚してパワーアップ ゴブリンデッキ!
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2話―⑤―失敗は成功のもと

「マスター、イイドウクツ、ミツケタ!」

「ミツケタ! ミツケタ!」


「本当か! おお、これは!」


 それは本当に程よい感じの大岩に穴が空いていた。


「モリ、ヒロイ、ドウクツタクサン!」

「ココ、イイ、チカク、カワアル」


 そういえばさっき川らしき水音も聞こえたな。どうやらこの森は木ばかりじゃなくて森の中に広大な自然を内含しているのだろう。


「よし、入ってみよう」

 

 中はそれほど広くはなかった。だけど寝るには十分すぎるといえる。


 俺が悪くないというと先生方は腕に抱えていものをゴトゴトと地面に転がした。


 先生方は移動しながら木に実っている果物を取ってくれていたのだ。地面を見るとかなりの数がある。


「マスター、コレタベル、アマクテオイシイ!」


 一体が説明し、もう一体がバナナみたいな果物の皮を剥いてくれる。たしかに美味しそうだ。


 そういえばサマナースペルに鑑定みたいなのがあったな。


 俺は目の前の果物に対して効果を発動させた。


「サマナースペル発動。アナライズ!」

「アナライズを発動します。詳細はバーチャルモニターにて確認してください」


 名前:マス

 【説明】バニ科マス属の落葉木に実を付ける果物。

 黄色い果肉は水分を多分に含み、甘い。また栄養価も高く、一部のモンスターはこれだけ食べて暮らす。

 一部の森にしか実を付けず、取りにいくにはゴブリンの縄張りを超えなければならないため、危険である。

 そのため、高級な果物とされる。


 ゴクリ。俺は大きく喉を鳴らした。う、うまそう。


 たまらなくなって目の前のものにがぶりついた。


 うんめぇぇえええ! 味は桃に似てるのにバナナみたいな見た目。しかも種がない! 違和感はあるがもはやそんなことは関係ない。


 ゴブリン先生に君たちは食べないのか? と聞くと食べないといった。カードになった先生方は食べることを必要としないらしい。そういうものか。


 俺は皮の剥き方を教わると先生方を戻し、無我夢中になって食べた。果物はいろいろあった。一口サイズのリンゴとかまんまの蜜柑とか。


 とにかく、俺が次に気づいた時は全部を平らげた後だった。


 あぁ、食った食った。なんだこの森は……最高だ。一生ここにいてもいいかもしれないな……と本気で考え始めるくらいには。まぁ、冗談だけどね。


 もともと俺は果物が好きなんだなと感じた。そのこともあってこの森は宝物庫に思える。

 その中でもとくにマスは美味い! こんな果物初めて食べた。しかも食べやすい。すっかり虜だ。


 まぁその話はいいか。俺は皮などをまとめてから、外に出て、森の中に放り投げた。わかんないけど土に帰ってくれるといいな。


 外はもうすっかり暗くなっていた。


 だがモニターは見える。夜は寝るに限るが、最後にやることがあった。


 それは……カードパックを引くことだ! カードゲーマーならやらないやつなんていない!


「ルカ。カードパック引きたい。どうやるんだ」

「バーチャルモニターからメニューより選んでください」


「よし引くぞおお!」


 SPサマナーポイントは丁度200溜まっている。これでユニットパックを2パック買えるのだ。


 コスト1のゴブリンは10Pだったがプリーストやメイジは20Pももらえたのが大きい。


 SP:200Pの右に使用という文字があるのでタップ。バーチャルモニターなので実際に実体のある画面をタップ出来るわけというではないけどその場所に指を持っていくことで擬似的に操作できるのだ。


 ユニットパックとスペルカードガチャの2つあるので左のユニットパックをタップ。スペルカードもそのうちほしいけど今はとにかく強いユニットが欲しかった。


 パック一覧が表示される。って……ゴブリンパックしかねぇじゃん……。


 しかたないのでゴブリンパックの数を2つに変更し購入ボタンを押した。


 ウィーンとデバイスが唸るとカードスロットからパックが2つ出てきた。


 それをうけとりモニターの明かりを頼りにそれを見た。うん。馴染みのあるデザイン。


 デカデカとゴブリンパック! と書かれている。その下に様々なゴブリンの絵が描かれている。


 破り捨てて、中身のカードを全部取り出した。そのカードを一つ一つ確認する。


 ……。


 ……。


 なんだこりゃ! ふざけるな責任者だせええ!


 ゴブリン×8、ゴブリンプリースト、ゴブリンメイジ。


 いやメイジとプリーストは嬉しいけどね? でもさすがにこれはおかしいと思うの。せめてソルジャーガードナーくらいはほしかった。てかパックに描いてあったいろいろなゴブリンの絵はなんだったんだ。


「ルカこのパックおかしいぞ! 全然いいのでない!」

「ユニットパックは1枚の単価が低く設定されている代わりに良いカードが出る確率が低く設定されています」

「つまり俺の運が悪いってことか!」

「……」

「いや黙るなし!! 運が悪いのは仕方ない!」


 くそっ。こんなことになると知っていたらガチャの方を引くんだったぜ!


「もう寝る! パックはダメだったけど代わりに明日は実力行使でカードを増やしてやるぜ! べっ別に悔しくなんてないんだからねっ」


 ふて寝だ!


 決意を胸に、俺は寝た。ぐすん。ぐー。

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