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異世界デュエリスト~俺だけが命がけのカード召喚士~  作者: えっくん
たくさん召喚してパワーアップ ゴブリンデッキ!
3/27

2話―①―2枚目

 この世界でカードゲームをすると決めた俺はあれからルカからゲームのルールを根掘り葉掘り聞き、それを心の中で整理した。

 やっぱりカードゲームってのはルール知らないと全く話にならないからな。


 カードには主にユニットカードとスペルカードの2種類存在し、それらは全てマナをコストとして支払うことで行使することが出来る。


「あった。本当だ。現在のマナ保持量が表示されてるぞ」


 マナ保持量はデバイスの極光色に輝く丸いところにでかでかとアラビア数字で表示されていた。

 マナは最大で10まで保持でき、マナを消費した場合、5秒に1回復する。


 次はカード運用について。


 このカードゲームにもデッキという概念が存在する。

 デッキは80枚まで組み込むことが出来る。

 戦闘が始まった場合、まずデッキから5枚ドローし、手札に加える。


 行使され、手札が減った時デッキからドロー出来る。これは10秒に1枚。ターンの概念はない。

 手札が5枚以上の時、通常ドローは出来ない。



 最後に戦闘について。


 召喚されたユニットが敵と戦う場合、攻撃側の攻撃力が相手の守備力の数値を超過した分だけHPにダメージを与える事ができる。

 数値が同じ時は100ポイントだけ入る。


 例えば攻撃力1000ユニットが防御力500のユニットに攻撃する場合、HPに500のダメージを与えることが出来て、防御側の防御力が1000の場合ダメージは0ではなく100だけ入るということだ。


 だが攻撃が魔法の場合勝手が変わってくる。相手の防御力の数値が勝っていても攻撃力の3分の1は確実にHPへダメージが入ってしまう。


 攻撃力600のユニットが防御力3000のユニットに攻撃する時でも、攻撃は無効化されず、200のダメージが入るのだ。


 だから魔法は防御するのではなく、かわさないといけない。


 基本的にHPは基礎防御力と同じ値になる。


 そして破壊されたユニットは自動的に墓地エリアに入る。


 召喚上限があり、ユニットは10体まで同時に、スペルカードは5枚まで同時に場に存在できるらしい。

 デッキ、墓地エリア、召喚情報などはすべてバーチャルモニターで確認することが出来るのだそうだ。



 ひとまずはこんなところかな。自分の覚悟していたものよりはルールは少ないようだった。

 案外このカードゲームはゆるく作られているのかもしれない。


 ところで俺のステータスがどうなってるんだ?


 興味本位で覗いてみる。


 

 [サマナー(LV1)] 

 名 前:イツキ

 H P:1000/1000

 マ ナ:10/10

 攻撃力:100

 防御力:100




 俺ってイツキって名前だったんだな。

 ってか俺ってやっぱよわっ!


 でもこれでもさっきまでよりかは成長したんだ。

 ルカがいうには俺の攻撃力と防御力はサマナーレベル1×100。HPは1×1000らしい。

 つまりさっきまで俺の攻撃力と防御力は0だったってことになる。


 そんな状態で戦ってたんだな……俺。

 でも今の俺は違う! 普通のゴブリンなら5発まで耐えられるぞ! 逆に言うと5発食らったら終わりだけど。


 それは今はいいや。


 次はこれからのことだ。

 先ほどまで興奮していた俺はすぐにでも飛び出してカード化するモンスターを探しに行こうとしたが、ルカに「あぶないのでは?」と言われてしまい、考えなおしてみた。ルカと相談してこれからの方針を決める。


 ここで闇雲に突っ込むのは下策か。死んでしまっては折角出会ったカードゲームができなくなってしまう。どんな強力なモンスターがいるかもわからない。

 やはりここは森からの脱出口を探しつつ、今でも単体の倒せそうなやつを見つけて少しずつ倒して戦力を増やしていくことにした。


 何せ今の俺にはデッキどころかカードが1枚しかないんだからな。


 召喚したゴブリンに聞けば敵の位置や森の出口がわかるかもしれない。


 早速聞いてみよう。



「マスター、ゴメイレイヲ」

「この森の出口がわかるか?」

「モリ、デグチ、ワカル」

「おお! そうか。じゃあそこに連れて行ってくれるか?」

「デグチ、ツヨイゴブリンタクサン。トテモエライゴブリンモイル。ダレモサカラエナイ」


「そ、そんなにたくさんいるのか?」

「オオイト、ヒャク、イル」


「ひゃく!?? よし決めた! 俺森で暮らすわ。やっぱ森を出るなんて無理だったんだ! っじゃなくて! とりあえず今は森を出るのはやめて強くなることだけ考えよう。今は無理でもそのうち何とかなるかもしれない。とりあえずゴブリンだ。普通のゴブリンが1人でいるところに連れて行ってくれるか?」

「ワカタ、サガシニイク、ツイテクル」


 そうして前を先導するゴブリンの後ろについていった。

 俺の召喚したゴブリンだが、なんというか身のこなしがとてもいい。動いていて全く音を出さない。ゴブリンはみんなそうなのか? それとも俺が召喚した固体だけか?


 しばらく進むと単体のゴブリンを見つけた。


「エモノ、エモノ!」


 敵がこちらを見つけた。よし。やるぞ。と思ったらさっきまでいたゴブリンがひっこんでしまった。


「敵性反応を確認。状況をリセット。戦闘モードへ移行します」


 戦闘状態になるとすべてのカードはデッキに戻されるんだった。さっき聞いたのにもう忘れていた。いかんいかん。


「ルカ。ドローだ!」


 1枚出てくる。うん。1枚しか持ってないからね。


「サモン! ゴブリン!」


「よし、いけーゴブリン!」


 俺がそういうとゴブリンが向かっていった。


 こちらのゴブリンと敵のゴブリンのステータスは同じ、本来なら同士討ちになるだろう。

 このルールではバトルフェイズとかはないため、召喚をしてゴブリンに命令をするだけでいい。だが、俺はこのまま見ているつもりはない。


 カードは少ないが、それを……俺の行動で補う!


 ゴブリン達の戦いは始まっている。ステータスが同じ場合与えるダメージは100でHPは300だから全部当たって3発で決着する。


 敵のゴブリンが棍棒を振り、こちらのゴブリンはそれを防ぐ。そこで俺は振り切った敵ゴブリンの腕を後ろから掴み、棍棒を奪い遠くへ投げた。


 パワーグローブをつけ、しかもサマナーレベルが上がってステータスも上がったからこそできることだ。


「ギギ!?」


 驚いてる所わるいな。お前にはカードになってもらうぜ!


 ゴブリンの両腕を完全に制覇した俺は叫んだ。


「ゴブリンやれ!」


「ワカタ!」


 戦いはあっけないものだった。敵のゴブリンのHPが0なった瞬間光となって砕け散る。そして1枚のカードがひらりと落ちた。


「2枚目、ゲットだぜ!」

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