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異世界デュエリスト~俺だけが命がけのカード召喚士~  作者: えっくん
たくさん召喚してパワーアップ ゴブリンデッキ!
17/27

5話―④―ゴブリンの武器屋

 次の日。俺はなんとか無事に朝まで眠ることができた。あんな状態でよく寝られるなと自分の図太さに呆れながらも朝食をとってねぐらを出た。


 いつもの朝食もリリーシャがいるとなんだか楽しかった。リリーシャはもうすっかりいつもの調子だ。むしろ昨日よりもべったりだ。


 今日の予定発表!!


 昨日引いたかっこいいカード検証!! そしてリリーシャ鍛えながらSP溜め!! 以上である!!


 よし、早速やろう。待ちきれないぜ。


 程よく広い空間を見つけて俺はそこに立った。行くぜ!


「スペルカード発動! ゴブリンの武器屋!!」


 ユニット召喚と同じような光が現れるがそれはそれよりもずっと大きい。


 光が止むとそこには建物があった。


 まじかよ。


 建物を呼び出すとかありなのか……。


 その建物はカードの絵に描かれているものと同じものだった。ただし店員? らしきゴブリンはいない。


 見えてきた。このカードは要するにこのカードがスペルカード枠に存在する限り全フィールドに影響をもたらすカード、故に環境効果か。考えればこの手のカードは名前が違うだけでカードゲームには皆あるようなものだった。


 ためしにゴブリンを呼び出してみるとステータスの上昇を確認した。持っている武器がくたびれているものではなくしっかりしたものになっているのが印象的。



 [ユニットカード(召喚中)]

 名 前:ゴブリン

 H P:300/300

 攻撃力:600

 防御力:300



 なるほど。強いな。これが存在する限りかなり有利に戦える。ただのゴブリンでもガードナーにダメージを与えられるんだからな。そして2つ目の効果でゴブリンソルジャーを呼び出すことも出来る。


 ただし気になるのは……。


「ルカ。このカードは破壊されない限り効果を及ぼすと思うが、破壊されることがあるのか?」


 こういったものはカードゲーム毎の特徴で壊せたり、壊せなかったり壊せてもかなり難しかったりする。

 この世界のルールではどうなのだろうか。


「環境効果のカードの多くは耐久値が設定されています。モニターにて確認してください」


 本当だ。モニターではこの建物の外から見た映像と中の映像そして左上には5000/5000という文字が映っていた。ウィンドウが一気に増えている。


「つまりこの値の攻撃を食らうと破壊されてしまうのか……まぁこんなに強ければな……」

「すごいです! マスターこれ本当に武器屋ですよ。いろいろな武器がありますー」


 なん、だと。そうか! 建物を召喚したということはそれに入れるってことじゃないか!?


 カードゲームをする人なら持ってるカードを眺めて、こんな所あったら一度は行ってみたいなーなんて考えるはず。


 これはもう……是非行かねば!!



 この建物はゴブリンの物だからか天井が割りと低く手狭だ。とはいえ入る分にはそこまで問題はない。

 

 中は当たり前だが電気がなく薄暗かった。

 所狭しと武器が並んでいる。カウンターの後ろには武器倉庫みたいな所まであった。これは意外と広く本格的だなぁ。 

 本当にあのゴブリンの武器屋なのだろうか。もしかしたら別の世界線のゴブリンなのかもしれない。


 寝るところがあればここで寝るのもやぶさかではなかったがそういうのはなかった。洞窟で寝るよりはやはり建物がよかった。日本人の精神的な意味で。


 中をひと通り探索したあと入り口に向かうとリリーシャがいた。


「マスター見てください! わたし剣だって握れちゃうんですよ!! これをこうやって敵をバッサバッサと倒してー」


 外でブンブン振り回してる彼女は普段の彼女には考えられないほどに剣を扱えていた。これもカードの精霊だからなのか? ふとモニターごしに彼女のステータスを見てみる。



 [ユニットカード(召喚中)]

 名 前:カードの精霊リリーシャ(LV1)

 H P:300/300

 攻撃力:600

 防御力:300


 

 攻撃力が上がっている。さっき確認したときは上がっていなかった。それは彼女の名前にゴブリンがついていないからだと納得したが、今上がっているのはこの武器屋の武器を装備しているからなのか? 


「あっ」


 間の抜けた声が聞こえてそちらを見ると振った剣が手元を離れて地面に突き刺さり、ふとももを切って怪我していた。


「だ、大丈夫かリリーシャ!」

「うぅ……ごめんなさい……やっぱりわたしには扱えませんでした……これがあればもっとお役に立てると思ったのに……」

「いやいやそんなことより太ももが切れて血が出てるじゃないか! ど、ど、どうしよう!」

「大丈夫ですマスターこのくらいどうってことありませんから!!」

「どうってことあるでしょ!」


 ステータスを見るとHPが40ほど削れていた。かすっただけで!


「マスター落ち着いてください。サマナースペル一覧を呼び出しますか?」

「そ、そうか! それがあった!!」


「サマナースペル発動! ヒール!!」

「ヒールを発動します」


 デバイスの極光色の丸い部分から綺麗な光が出てきたので彼女の患部に当てる。


 するとどうだろう。見る見るうちに治っていくではないか。さすが魔法! 回復魔法!


 マナを3も使うがこの効果は折り紙付きだ!!


「ふぁ……すごく優しくて暖かくて気持ちいいです……」


 何故かリリーシャは顔を真っ赤にしていた。


 ???


 何でだ。まぁいい。


 治療が終わるとリリーシャはまた抱きついてきた。今度は俺が顔真っ赤だ。


「と、とりあえず次だ次! 武器屋は消して今度はディフェンスタワーを試そう!」

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