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異世界デュエリスト~俺だけが命がけのカード召喚士~  作者: えっくん
たくさん召喚してパワーアップ ゴブリンデッキ!
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3話―②―逆転

 すぐ横で豪風が吹き荒れているというのに、俺は露ほども影響を受けていない。


 フレンドリーファイアは存在しないからだ。


「マスター。スペルカードで発生したこの竜巻はバーチャルモニターにて操作することが出来ます」


「なに!? そうなのか!」


 モニターを見ると竜巻の現在の状況が上空からの映像とともに鮮明に表示されていた。竜巻は赤く縁取られていてとてもわかりやすい


「表示されている竜巻を手でタップし、ドラッグすることによってその進路を操作できます。別の項目で被害範囲や被害対象も選択できます」


 俺はルカの説明通りに進路をずらす。竜巻の進行速度は非常に遅いが出来るだけ遠くに行くように操作する。時間稼ぎだ。そして別の項目で森へのダメージを0にする。


 俺の食事が成る大事な木だぞ!


 00:09/00:15 となっている項目がある。9がどんどん減っているからこれは竜巻の発生時間だろう。最大で15秒ってところか。


 12/30 となっているところもある。これはなんだ?


 ルカに聞くと現在攻撃数/最大攻撃数ということらしい。なるほど。30体以上だったらもらしがでるということか。



 00:00となると竜巻が消滅し、モニターが元の表示にもどった。


 本来竜巻になんぞ飛ばされたらゴブリンなぞ一瞬でやれるように思えるが、これは自然現象ではなくスペルカードによる魔法。攻撃力が設定されているのだ。だからゴブリンを全滅させることは出来ない。しかし、このくらい効果が抜群なら十分だろう。



 竜巻が消えてから30秒くらいたってゴブリン達が戻ってくる。

 防御力の低い組は全滅、残ったのはリーダー、ソルジャー×2、ガードナー×2の5体。それぞれ200のダメージを負っている。


 リーダーは狼狽しているが、戦う意思は尚燃え続けている。


「ヤレ! ヤレ!」


 こちらへ向かってくるが俺は逃げない。負けるつもりもない。


 距離はまだある。準備する時間もある。


 ここまで俺はしっかりとドローはしていた。マナも最大。流れははっきりとこちらに向いている。



「スペルカード発動、ゴブリン王の勅令! このカードを発動することでデッキから2枚ゴブリンと名のつくカードを手札に加えることが出来る。俺が選択するのはゴブリンプリースト2枚!」


 スロットから2枚排出され、手札に加える。


「サモン! ゴブリンプリースト×2! よし、進め!」


 敵はゴブリン、知性はほとんどない。敵とあらば攻撃するだろう。


 案の定、プリーストはすぐに破壊された。


「ゴブリンプリーストの効果発動。このカードが破壊された時、墓地エリアよりゴブリンと名のつくユニットカードを2枚蘇生召喚する。合計で4枚! 俺が選択するのはゴブリンメイジかける2、ゴブリンガードナー、ゴブリン!」


 モニターに表示されている墓地エリアのカード情報を参照しながらそう宣言した。


 4体のゴブリンが召喚される。


「ゴブリンメイジの効果発動。敵1体に300ポイントのダメージ。それを2回、対象はゴブリンソルジャー」


 合計200のダメージがソルジャーにあたり、ソルジャー一体は破壊される。


 敵の残りも4。


「手札よりサモン! ゴブリンメイジ、ゴブリンソルジャー!」


「ゴブリンメイジの効果発動! ダメージはゴブリンリーダーへ」


 リーダーへ100ダメージ。HPは残り200。まだまだこれから!


「手札よりスペルカード発動、ゴブリンソード! 効果はソルジャーへ!」


 ソルジャーのぼろい剣が、紋様の入ったいかついものに変化!



 [ユニットカード(召喚中)]

 名 前:ゴブリンソルジャー

 H P:400/400

 攻撃力:1400

 防御力:400



「このカードはゴブリンと名のつくユニット1体の攻撃力を場のゴブリンユニット1体につき50アップさせる。ソルジャーの攻撃力は自身の効果で500から1100へ、このカードの効果で1400! いけ、ゴブリンソルジャー! やつらを刈り取ってこい!」


 ソルジャーは自身の力の上昇を身で感じると勇んで走りだす。



 [モンスター(小型)]

 名 前:ゴブリンリーダー

 H P:200/500

 攻撃力:500

 防御力:500



 [モンスター(小型)]

 名 前:ゴブリンソルジャー

 H P:200/400

 攻撃力:900

 防御力:400



 [モンスター(小型)]

 名 前:ゴブリンガードナー

 H P:400/600

 攻撃力:300

 防御力:800



 ソルジャーはまず同じソルジャーのところへ走り、一閃。


 敵も防ごうと剣をつきだした。敵へ攻撃がフルヒットした時、攻撃力から防御力を引いた値がダメージとなるが、攻撃と攻撃がぶつかるとこの場合、攻撃力の高いほうが勝つ! そしてその差がダメージとなる。


 パキン! 敵ソルジャーの剣が真っ二つとなって尚剣閃は止まらず、ソルジャーは真っ二つ! しかし、背後からリーダーが攻撃をしようと持っている鉄の棍棒を構える。あぶない! 背後を取られると防御力で受け止めることになり、ダメージを食らってしまう! だが俺がさせない!


「ゴブリンガードナーの効果発動、手札1枚をコストにゴブリンリーダーの攻撃を無効! ガードナーいけ!」


 ドローしていた手札をスロットに差し込むと、ガードナーはふっと消え去り、リーダーの目の前に現れると大きな盾を構える。その盾には巨大な結界のようなものをつけていた。リーダーの攻撃は結界に阻まれ、全力の一撃の反動を受けてよろめいた。その隙に振り向いたソルジャーが一撃。粉砕! そのあと残ったガードナー達もかつて敵のソルジャーがやったように一撃で葬り、この戦いは終わりを告げたのだった。

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