6話 まだ異世界に行けない
「じゃ、紺の飴玉にする」
「ええのか?赤にすれば英雄になれる可能性があるし白を選べば大賢者になれるかもしれんのじゃぞ」
そういわれると悩んでしまうが、バカや虚弱体質にはなりたくないしな~
「折角だし世界を見て回ろうかと考えてるから虚弱体質やバカだと都合悪いでしょ、別に英雄とか成りたい訳じゃないし。」
それに強いモンスターを仲間にできれば旅の移動とか楽になりそうだし、実はレアスキルなんじゃないか。
それは残念じゃのと言いながら紺色の飴玉を差し出してきた。
「じゃぁこれ舐めとくれ」
手渡された飴玉を恐る恐る口に入れ舐めてみる。
・・・意外と美味いな、これコーヒー味かな?
するとおっさんが衝撃の事実を言い出した。
「それにしても本当に良かったのか?テイマーを選んで」
「ああ、いらんデメリットが付くぐらいならこれでいい。それにドラゴンとかテイム出来たら安全に旅できるでしょ」
「いや、ドラゴンとかいくらスキルのレベルが高くても無理だと思うぞ」
「はぁ!? テイマーなのにテイム出来ない魔物とかいんの!?」
その事実にビックリして舐めてた飴玉が口から出そうになった。
「もちろんじゃ、普通の魔物はレベルや力にものを言わせ屈服させればテイム出来るが、ドラゴンなどの一部の魔物は知能が高いからの、お互いが納得せんとテイムは成立せんのじゃ」
「で、でも卵や子供の段階からならできるんじゃないのか?」
「まぁ、できなくはないがドラゴンとかは子供が出来難いゆえに大切に育てる。
もしそれを盗んだりして無理やりテイムでもしたら親が子供を見つけるまで怒り狂って町のひとつでも破壊しまくるぞ。
しかも、儂が世界を作るとき、最初に作った強い魔物には親は子供がいる場所を把握できるように設定したからその子孫にもその能力は受け継がれてると思うしの」
・・・マジか
俺の安心安全快適な旅行プランが水の泡だ・・
「まぁお主の事じゃ、最強の護衛で安心安全快適な旅行プランでも描いていたんじゃろ」
グサリと図星を突かれて凹んでいると、そんなお主にこれじゃ!
とちゃぶ台の上にあったカバンを指さした。
「このリュックにショルダーバックにセカンドバックの三種類のバックには、それぞれ異世界で役に立つアイテムが入っておる。しかし、渡すことができるのは一つだけじゃ!」
その言葉を聞き少し安堵すると共に、一つだけかよ!と悪態をつく。
「おー、さすが神様!慈悲はここにあったんだな!ちなみになにが入っているだ?」
「うむ初めに、このカバンはマジックバックの仕様になっておる、もうこれだけで当たりといっても過言ではないのじゃが、それぞれに絶対当たりが入っておる!!」