2話 そば好きなの?
そこには、ちゃぶ台と座布団がありちゃぶ台の上には沸騰した薬缶と○兵の鴨出しそばが置いてあった。
なんだここ?と思いながら回りを見渡すが、ちゃぶ台と座布団以外のものは何もなく
ただただ広い空間が広がっていた。
戻ろうと思い後ろを振り返るが、降りたはずのエレベーターがそこになかった。
「何しとるんじゃ、人ん家で?」
声が後ろから聞こえ振り向くと、そこには褞袍を着たナイスミドルがそこにいた。
「もしかして・・・泥棒か!?
こ、ここには儂が夜食に食べようとしていたどん○しかないぞ!!」
と薬缶を武器に後ずさりながらナイスミドルが叫んでいた。
「い、いや違いますよ! 気付いたらここにいて僕も訳が分からない状況なんです!!」
俺がテンパりながら状況説明をすると、納得したのかナイスミドルが座布団に腰をおろしどん○にお湯を注ぎ始めた。
「なるほどの~、お主は神隠しにあってしまったのじゃな」
「神隠しですか?」
「そうじゃ、普通に生活していたのに突然いなくなる人とかおるじゃろ
そういうのを神隠しというんじゃ、まぁ大抵は誘拐や拉致なんじゃが稀に本当の神隠しに遭う人間がおるんじゃよ。」
へぇ~と思いながら話を聞いていると
「ちなみに儂なら元の場所に送ることもできるぞ」
「はぁ、そうなんですか。じゃぁ今すぐ元の場所に戻してください。」
「え、お主決断はやいな! 『お前のせいか!』とか儂が誰とか、どん○好きなのかとか気になること聞かないのか?」
「だって聞いたから何になるんだって話じゃないですか。不思議な力でももらえるんですか?」
「淡泊じゃの~まぁまて、これも何かの縁じゃどん○食べ終わるまで話し相手になってくれんか?どん○はやらんいがお茶ぐらいだすぞ」
といい終わると目の前に座布団が現れた。
内心帰りてぇ~とか思いながら座布団に座ると
飲み物はお茶でいいかの?と聞かれたのでためしに俺は飲みたいものを言ってみた。
「いや、折角だから○-ズのラテとお茶菓子でフィナンシェ下さい。できればホットで」
「意外と図々しいのぉお主」
神様が指を弾くと目の前に出来立てのラテとフィナンシェが出てきた。
言ってみるもんだなーと思いながらラテに手を伸ばすと目の前で神様がそばを啜りだした。
あまりに美味そうに食べているのでどん○好きなんですか?と聞いてみると
「ズズ- うむ、どん○シリーズでは最高の出来じゃと思っておる!!」
このおっさん本当に神なのか?近所にいる爺さんみたいだなと思いながら神様のドヤ顔に呆れながらラテを飲み始めた。