3.賢者の学院
教育機関としての賢者の学院を中心とした現在のシステムが大陸各国の主要都市において成立したのはウィシュメリア歴600年頃と比較的近年だとされています。
それまでは冒険者養成のための部門と知識の探究や研究に携わる人々が集まる特殊な集団という認識でしかありませんでした。
ウィシュメリア歴600年頃にウィシュメリア国王サーレント・ダナンが当時の賢者の学院長に対して国内の経済活性化に何かいい方策はないかと尋ねられた事が切っ掛けとなり、では未来を担う子供達への基礎教育と職業訓練を王家が義務付けさせたうえで賢者の学院が指導を担当するというこれまでに比べたら画期的な施策が生まれました。
基礎教育と職業訓練を行う校舎は本体である賢者の学院とは別個に建てられており基礎教育課程に対しては賢者の学院より、職業訓練課程には各種職人組合などから講師が派遣されています。勿論冒険者志望の職業訓練課程もありますのでそこには学院や神殿から講師が派遣されています。
基礎教育課程は読み書き、簡単な計算、自国の地理や社会の仕組みなど国内の生活に於いて必要な事柄などを中心に学びながら最終的には次課程の職業訓練課程に繋がる学習へと発展していきます。
この期間は6年間と定められています。
職業訓練課程は希望する各職人コース・商人コース・特殊コースに別れてそれぞれ晴れて弟子入りするまでに必要な知識や基礎的な作業を訓練して習得していきます。冒険者や兵士、僧侶などは特殊コースに分類されそれぞれの専門分野の人間が講師となって教えることになっています。
この期間は3年間と定められています。
冒険者を志望する者はこれらの基礎課程を卒業した後に試験を受けて合格すれば賢者の学院・冒険者養成課程へと進むことが出来ます。王都内に住むものは基本的に通学することを推奨されていますが、学院が認めた者や特殊な事情により通学ができない者、遠方に自宅があり通学できない者などに対して男子生徒及び女子生徒それぞれ専用の寮として屋敷を確保してありそこに住めるように手配してあります。
基本的に寮内への異性の立ち入りは厳禁です。また、学内外での恋愛は認められていますが婚姻は特別な事情がない限り学業の妨げになりかねないので禁止されています。
冒険者養成課程は最低3年間と定められていますが、追加の学費を支払うことにより最長7年間の在籍が可能となっています。ですが大抵は3年間~4年間で卒院していくのが普通です。
賢者の学院はこれらの教育機関以外に本来の研究機関があり大体隣接している地下図書館やフェンリル神殿と協力してダナン帝国時代初期からプレダナン期にかけての古文書や魔法の品々を研究し成果を国家や社会、冒険者の装備などへ役立てるためにそれぞれの分野の技官達が日夜研究を重ねています。
賢者の学院の公表されている人事情報は以下の通りです。(古王国ウィシュメリアの場合)
学院長
副学院長-冒険者養成部門-各技術指導官 |
-基礎教育職業訓練部門(職人組合・商人組合等との合同組織)
-研究部門
補足
・担当指導官の種類は戦闘技術、魔法技術、製薬・応急手当技術、地理・歴史・法律知識、音楽技術、特殊技術、応用古代知識に分類されています。
・地理・歴史・法律知識指導官は冒険者として生きていくために必要な大陸各地の情報を指導します。
・特殊技術指導官はサバイバル技術や特殊なツールを使用する場合の技術等を指導します。