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ナンクルさん

 転生(T)ネーム(N)、ナンクルさん。

 以上で説明を終わりますが、宜しいでしょうか?


 ナンクルさんの御希望は、「アイドルになりたい」ですね。生前の夢そのままですが、初志貫徹とは恐れ入ります。

 アイドルでしたら、容姿端麗であるに越したことはありませんね。「美形希望」は外せません。

 歌や踊り、芸能に長けているのもアイドルらしいでしょう。「歌姫の才能」「舞踏の才能」「千両役者の才能」をセットで選んでしまうと『徳』が少々厳しいですね。

 一つ削るとしたら……「舞踏の才能」ですね。これを削れば附随条件こそ発生しませんが、転生する世界を選べなくなります。

 才能と世界の選択権、どちらになさいますか?

 才能ですね。分かりました。

 いえ、問題ないと思いますよ。付随条件以外で悪い世界――常時戦争中だったり飢饉に悩まされていたりする――が選ばれることはありませんから。


 はい、では「美形希望」「歌姫の才能」「千両役者の才能」で転生ですね。

 次も、良い人生を。





 さて、ナンクルさんはどうなったでしょうか?

 ……転生先、ファンタジー世界ですね。

 いえ、わりと平和な世界ですから、問題があるわけではないのですが。できれば現代、あるいはSF世界等の方が、ナンクルさんの思い描くようなアイドルらしい活動ができたのですが。

 まあ、しょうがないですね。……おそらく、あのバカ(かみさま)の嫌がらせでしょうけど。奥様だけじゃなく、娘さんにもご登場願いましょう。


 さて、ナンクルさんは街の酒場で歌うようになって、すぐに王宮に召喚されました。「歌姫」ですからね。仕方がないです。

 12歳とはいえ、いえ、12歳だからこそ妖精のように愛らしい容姿のナンクルさんです。ナンクルさんを見る王子様(28)の目線は犯罪者のそれですね。ちょっと(バチ)を与えてほしくなってしまいました。

 ああ、王様がナンクルさんをうまく使って民衆をコントロールするように。

 そんな王様をナンクルさんがうまく使い倒すように。

 ……まあ、アイドル(偶像)ですから、信者がたくさんいても不思議じゃないですよね。

 だって、日本のアイドル稼業も似たようなものですし?

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