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ちっさいおじさんと月の3日間  作者: 早川 りな
2日目 今日は土曜日
4/20

起きました

 ううん……。唸りながら寝返りを何度か打ち、薄ら目を開けた。カーテンの隙間から太陽の光が部屋に溶け込んでいる。目覚まし時計を見ると10時を回っていた。

 起き上がって、軽く伸びをする。ベッドから降りて、カーテンを開ける。太陽に向かって伸びをまたする。

 リビングにダラダラと行き、ソファに座る。左手に何かが触れた。

「うん? 何?」

 それをつまみ上げ、目線の高さまで持っていく。オレンジ色のハンドタオルがヒラヒラと揺れていた。

 昨日のちっさいおじさんのことを思い出し、ソファやコンセントの周りを探してみる。おじさんは居なかった。

 やっぱり、夢だったんだ。疲れてたし、ビールも飲んでたし、あんな意味不明な夢を見てもおかしくないよね。

 ハンドタオルを仕舞い、朝ご飯とも昼ご飯とも言えない食事の準備をしようとキッチンへ行った。

 リビングに食事を運び、インスタントのスープにお湯を注ぐ。

「いただきます」

 コンポに電源を入れてお気に入りのジャズをかける。

 優雅な朝だわ。もう昼近いけど。

 のんびりとパンとスープを頬張りながら、今日の予定を考える。

 空の冷蔵庫を何とかしよう。長期保存がしやすいものでも作ろうかな。うん。そうしよう。

 一人で心に誓いを立てて、食事を済ませた。食器を洗い、戸締りをして、バックと鍵を持って、お散歩気分でスーパーに向かった。


 土曜日のお昼過ぎのスーパーはお客さんで混雑している。買い物カゴを持ち、何を作るか考えながら食材をゆっくり眺めていた。

 最近、夏風邪が流行ってるみたいだからジンジャーシロップ、おつまみにもおかずにもなる肉じゃが、きんぴらごぼうは結構長持ちするから作ろう。それとポテトサラダも作ろう。後はレトルトのカレーとカップ麺は買っとくか。あっ、夏はそうめんだよね。

 そんなことを考えながら必要な食材を値段、量、鮮度を吟味しながら、カゴに入れていった。レジが済み、買ったものをエコバックに詰めていく。パンパンになったエコバックを肩にかけて、スーパーから出た。

 スーパーの中は生鮮食品を扱っているから涼しい。そんな場所から晴天の空の下に出ると、むわんとした風と湿度が体にまとわり付いた。

 アパートに着く頃には絶対に汗だくだ。まだ、そんなに歩いてないのに暑い。

 荷物が重いせいで、体が若干傾いた状態になりながら、トコトコ歩いて帰った。


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