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日常



ハンスは自分の店への帰路についていた。




特にもうやれることはない。あとはヘルガからの連絡待ちだ。




しかし、気になる事がある。リゼ達は何者なのだろうか。


おそらく魔術師なのはわかるが、従者をつけるほどの存在の割に名前を知らないのだ。



それにあの従者も武器屋だ。該当する異形が思いつかない、吸血鬼でもアンデットでもなんでもないのだ。とは言え、東洋系とは思えない。




「邪推だが、少し聞いてみるか」




ハンスは思いつきで、帰路から外れることにした。


一応彼にも魔術師の知り合いもいる。あんまり大きな声では言えないことだがーー本人のために。





その知り合いも遠くないところに住んでいる。



帰路から少し離れたところにある裏路地ーーそこに一角に彼は住んでいる。




扉をノックすると、奥からハンスと同年代くらいの男が出てくる。




「おお、ハンス。お前からくるなんて珍しいな」



彼はリカード。


裏世界の歴史。つまり世間的には公表されていない裏の異形と魔法絡みの歴史を研究しているうちに本人も魔術師に目覚めたタイプの男だ。




「まぁ、少し聞きたい事があってな」



ハンスは家の中に入り、事の経緯を、リゼ達のことを事細かに説明した。




「なるほどなぁ、リゼ・フォルトなる魔術師らしき存在か」


「何か知ってるのか?」


「詳しくは知らん。フォルト家の名簿など残ってないし、フォルト家の当時の生き残りかも照合がしようない。そもそも偽名かもしれないし」


「それはそうだが」




仮にその人フォルト家の一員だと言われても、情緒的に困る。

だから、依頼と報酬に関係ないからどうと動くわけではないが、その場合彼女が企むは良からぬことだろう。




「そんなことより今は真祖の吸血鬼で話題は持ちきりだよ、随分と取り締まりが強くなりそうだ。気をつけろよ?」


「勿論、あんたもな」



基本的に悪事を働いてなければ、異形やそれに準じる者たちは政府の特務機関に粛清されたりしない。

しかしながら向こうも向こうで活気盛んな時期というのもあるものだ。



リカードは頭を悩ます。



「リゼ・フォルト......そいつの外見は?」


「眼帯をした黒髪の女だ。配下らしい死体みたいな顔色したねぇちゃん連れてたな、でも可愛かったな」


「ほぅ......ヘルガとどっちと?」


「変なこと聞くんじゃねぇ」


「顔色の話だよ」



ハンスはため息を吐く。

ヘルガ周りいじりは割ときついものだ。





「しかし、俺も知り合いから聞いた話だが200年前に命を燃やす術式を編み出した魔術師の話は聞いた事がある。黒髪の眼帯をつけた年端もいかない少女だったというーー眷属を連れているとかなんとか、それくらいしか知らん」


「ほぅ」



確かにリカードのその話の人物は、確かにリゼっぽい特徴があり見事に当てはまってる。


しかし魔術師も多種多様だ。その人だったとして命を燃やす術式ーー確かにすごいが。



名前を聞かないということは、相当に潜ってるやつか実績を残してないかだ。

対応は変える必要は、とりあえずはないだろうか。



危険な存在だとして直接的に害がなければなんでもいい。







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