ゲームでのお仕事2
「もう、レオ君たら鈍いんだから。」
アリスのものいいに若干イラッとしてくる。断っておくが僕は短気な方ではなく、比較的温厚なタイプである。
「すーっ、はーっ、すーっ、はーっ」
気分を落ち着かせるために深呼吸を数回して、気分を整える。
「えとね、PDFっていうのは、仕事の資料の代名詞でしょ?」
「いや、僕は仕事をしたことがないから、分からない。」
「ははっ、そうだったね。うーん、代名詞だと思っておいて、お客さんとのやりとりは、データの編集がきかないPDFのやりとりが多いんだよ。データ量も少ないから、資料のやり取りにこれ以外を使うことって少ないの。」
「そうなんだ。それがこの世界でアイテムでやりとり出来るってことは、現実の仕事をこの世界で出来るってこと?」
「ピンポンピンポンだいせーかい!!レオ君冴えてるねー」
褒められて、ちょっと頭をかく。
「でも、そういうことか、世界中の色んな人とこの世界でリアルタイムに会って、こうやって会話をして、資料まで渡せるのなら、リアルでやっていることと同じだ。」
「そういうことだよ。ワトスン君」
「いやだな〜。僕はホームズみたいに灰色の脳細胞で優れているわけではないよ。」
「このやりとりが分かるとは、レオ君もミステリーマニアで、シャーロックホームズ研究会に入る資格は十分ね。」
「ええと、アリス本題からちょくちょく離れるからまずは本筋に沿って話そう。あとマニアじゃないから、読書好きの単なる雑学だよ。」
「それで、えぇと、どこまで話たんだったかしら?そうそう、PDFでリアルと同じようにこの世界で仕事が出来るのよ。製造業は流石に無理だけど、データを扱うものなら、この世界の中で十分に仕事が出来るわ。それにほら。」
アリスはそう言ってアイテムボックスから何かを取り出した。
「ノ、ノートパソコン???そんな物までこの世界にあるの?」
いや、普通に考えておかしくない?データの世界の中で、更にデータを作る仕事をする?
「あると言っても、文字は打てないんだよね。今の所は………。そう今の所はこれは、PDFを沢山の人と一緒に見るための共有アイテムの一つね。一人で
見るだけなら、アイテムのPDFをクリックすれば確認出来るんだから。」
「あーそれなんとも。意味があるのか、ないのか。でも、文字が打てないんじゃ、現実世界に戻って仕事することになるんだね。」
「まーね。それが目下現在の難点の一つなのよね。文字一つ修正するたびに現実とこの仮想世界の行き来はちょっとね。それでも、現実世界で出張して、移動時間をかけるのに比べたら、格段に時間の短縮になるわ。」




