レオ君の事情
「僕はね。大学には通っていないけど、本当は数日までは、大学に通う予定だったんだ。大学に行って、将来の就職の為や自分の未来の為、大学で会える新しい友人関係を楽しみにしてたんだよね。」
アリスは僕の話を真剣に目を見て、にっこりと微笑みながら頷いて聴いてくれる。
「でもね、その大学の入学式の前日になっていきなり、父さん、父親から電話があって、首になったから大学は行けない。生活費も送れないからあとは頑張れって言われてね。」
我ながら話してて涙が出そうである。父さんからは、突き放された感じだったな。昨今は18歳、つまり高校を卒業したら大人の仲間入りである。つい数年前までは20歳から大人だったはずなのに………
もし、僕が数年前の状況で、大人になっていなかったなら、まだ両親から支援は続いていたのだろうか?過ぎてしまったことだし、始まってしまったのだから、この生活を続けるしかない訳だけど。でも、もし、ifだったならって想像が止まらない。
さっきまでは、どうにかしなきゃって感じで考えないようにしてたけど、アリスに事情を話し出すことで、状況を振り返る余裕が出来てしまった。
アリスが僕を軽く抱きしめて、ぽんぽんと背中を叩いてくれる。
「辛かったんだね。頑張ったんだね。レオ君………」
「あ、うん。ごめんね。同情しなくていいって言ったのに、させるようなことになってしまって。」
「いいのよ。私は長い間付き合ってて、この身体に慣れたんだから、レオ君は、いきなりお父様が退職されて、自分の大学もダメになってしまったんでしょ。いきなり目の前の道が壊されてなくなる様なものだもん。そうなってあたり前だよ。気にしない気にしない。」
「うん、ありがと。まー父親が首になる前から、仕送りはきついから、生活費はアルバイトで稼ぐ予定で、新聞配達はやってたんだけどね。それだけじゃ、アパートでの一人暮らしは厳しくてね。時間も空いたけど、かと言って、4月にフリーになっても今から就職活動して、就職が出来るわけでもないし。高卒の給料は安いって聴いてるから。」
「そうなんだね。」
「うん、それで今ってBCGゲームでお金を稼げるのが流行っているじゃない?丁度、ゲームのハードも届いて、時間も空いたから、モンスターブリードでお金を稼いで一旗あげようと思って始めたんだ。アリスみたいに、切実な動機でも、純粋に楽しむって訳でもないからいうのはとても恥ずかしいんだけど。はっははっははっ。」
なんだか話してて情け無くなって愛想笑いをしてしまった。




