アルテミスの魅了
アルテミスさんの方をチラッとみると体が赤く染まって、目がハートに変わっている。
「アルテミスさーん。なに魅了されてるんですか〜」
僕の絶叫が草原に響きわたる。
どうやら、今回の草原ラビットはアルテミスが魅了されたことからオスらしい。今回の教訓。兎対兎のバトルは、先に鳴き声を出して、魅了された方が勝つ。
それにしても序盤から出る状態異常じゃないよね。普通、初めのバトルはただの殴りあいと、ちょっとしたバフ、デバフの掛け合いだと思うよ。
「にゃに叫んでるにゃ。兎さんタックルの準備始めてるにゃ。」
そうだった反省はサルでも出来る。間違えた。反省は後でも出来る。まずはこの状況をなんとかしないと。
「ノワール。頼んだ。にゃんキック」
「にゃっ。にゃーん」
ノワールに向けて、タックルしてきた所へ真正面からにゃんキックが炸裂する。
「ぐわん」
これも相打ちに。このゲーム相打ちが多過ぎる。
こういう場合は、速さが速い方が先に攻撃を当てるものなんだけどな〜。ちょっとリアルっぽくリアルタイムでバトルするとこうなるのかな?
うーん、ノワールの攻撃でも一撃は難しかったか。こっちもダメージ受けちゃったし。
「追撃。にゃんキック」
「にゃっにゃーん」
が、相手の草兎はニヤリと笑みを浮かべて、上空にピョーンと『ジャンプ』した。お陰で、ノワールのにゃんキックは不発となり、地面にキックが突き刺さる。
「ノワール戻ってこい。」
「にゃーん」
僕から離れ過ぎたので防御のために一旦こちらまで呼び戻す。
兎はまた「うっきゅ。うっきゅーん」と鳴き声を上げている。
「ノワール、またにゃんキック」
「にゃっおーーん」
ようやく、ノワールの一撃が草兎にヒットして、兎肉がドロップした。
「やれやれ。弱い筈の草兎に2匹使って手こずってしまった。」
ちょっと疲れたので、その場の地面に座り込む。
「ふにゃん。ふにゃん。」
ノワールがご苦労様とばかりに僕の足の上に乗って、首を擦りつけてくる。
「ありがと、ノワール」
「うきゅん、うきゅん」
アルテミスもバトルが終わったからなのか、魅了が解けたからなのか、こちらに走って来て僕の胸に飛び込んできた。
「うきゅ、うきゅん」
「レオ、ごめんにゃ。見惚れちゃって動けなかったにゃ」
「アルテミス、いやいや僕の指示が間違えたんだよ。先に鳴き声を使用しとくべきだったんだ。次はもっと上手くやろう」




