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なろうラジオ大賞4

実家の屋根裏に野生の信長が住み着いてしまった

掲載日:2022/12/24

「あの……」

「織田信長と申す。

 よろしくお願い申し上げる」


 信長はそう言って頭を下げる。

 こちらもつられて頭を下げた。


「あの……どうしてうちに?」

「気づいたらここにいた。

 しばらくの間、かくまってほしい。

 迷惑はかけない」


 そうは言うが、迷惑はめっちゃかかっている。


 還暦を迎えた両親が、屋根裏部屋に居ついた信長の面倒を見るのは大変だ。

 業者を呼んで駆除するとしたらお金がかかるし……参ったなぁ。


「すみません、実は今夜、我が家は焼き討ちにされる予定で」

「なん……だと……」

「焼き討ちされるのは嫌でしょう?

 ですから、今日中に出て行って欲しいんですね」

「ぐぬぬ……」


 あと一押しってところか。


 俺は納屋から七輪を持ってきて、廊下でサンマを焼くことにした。

 最近は値上がりしたなぁ。


 煙がモクモク立ち上る。


「ごっほっ! げっへ!

 おのれ明智! またはかったな!」


 屋根裏で信長がなにかほざいている。


「信長さーん。

 そろそろギブアップしてくださいよ!

 うちだって食費がかかって大変なんです!」

「くそぅ……かくなる上は、切腹あるのみ!

 蘭丸ぅ! 介錯を頼むぞ!」


 あーあー。

 ついに切腹とか言い出したよ、この人。

 信長を家で飼うのも大変だなぁ。

 あと、うちに蘭丸はいない。


 俺はサンマを食べた後、バルサンを大量に焚いて外出することにした。

 ゴキブリが湧いていたので、ちょうどいい。

 両親にも出かけるように言っておこう。


 しばらくして実家へと帰り、屋根裏を確認すると……。



「むっ……むねん」



 討ち死にした信長がいた。

 保健所に連絡して引き取ってもらおう。


 野生の信長は放っておくと復活するので、さっさと処分しておいた方がいい。

 倒れた信長を庭に引っ張り出してブルーシートをかぶせた。


 保健所に連絡しないと……。

 事後報告になってしまうが、害獣駆除届も提出しないといけない。

 まぁ……明日でもいいか。


 ――なんて悠長に構えていたのがいけなかった。


 翌日。

 俺は庭に信長を確認しに行く。


 しかし、ブルーシートの中に信長はいなかった。

 予想よりも復活が早かったな……くそ。


 また屋根裏で勝手に住み着かれたらたまったものではない。

 早く見つけないといけないと思い、庭を探していると――


「おい、そこで何してるんだよ?」

「殿……履物を温めておきました」


 そう言って尻に敷いていたサンダルを差し出す元信長。

 どうやら秀吉に転生したらしい。


 コイツマジ……ホトトギス。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「野生の信長」とは、なかなかのパワーワードですね。 「尾張のおおうつけ」と呼ばれていた若き日の信長なら野性味はありそうですが、その時は吉法師という幼名を名乗っていたので、元服後の信長で野生…
[良い点] こいつマジホトトギスwwwww [一言] 信長が害虫とは面白い!確かに信長だといろいろ面倒そう!
[良い点] めちゃんこ笑ったwww 毛嫌いされてて可哀想な信長……と思ったけど、Gとかネズミと同じ扱いで、しかも退治しても復活されるんじゃ致し方無しですね。 [気になる点] 野生の蘭丸はいるのかな?…
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