無難な方向で
宿のベットで寝っ転がりながらどの神様と契約するか考えてみた。
輝光神は前大戦での勝利神だ。
なんか当たり前のような気もするんだが暗黒神が勝った時代もあるようで、そんなこと言うと結構馬鹿にされるのが分かった。
暗黒神が勝利した世界ってどんなだよ。
文献は残ってるらしいが普通の人はあんまり語りたがらない。
いいことなんてるわけないからある意味当たり前か・・・
契約神は2つ以上決めても問題ないらしいから輝光神か天竜神どちらかだろうな。
まあ、戦神っていう選択もありのような気もする。
この世界おいて戦闘は避けて通れない。
とはいっても戦闘しないで人生を終える人も多いみたいだけど。
俺のような経緯の異世界人は大体において何か事を起こしている。
俺もご多分に漏れずこの世界に変化をもたらすために転生したわけだ。
納得もしてるので逆らう気もない。
てか結構ノリノリだった気もする。
その辺の記憶がはっきりしないのも困りものんだけど、少なくても嫌々この世界に連れてこられたわけではなさそうだ。
前の世界での人生はろくでもないものだったのは薄っすらと覚えている。
親しい友人もいない。
仕事はつらく。
彼女も出来ず、結婚もしないまま死んだ。
つまらん人生だった。
なので転生しないかと言われた時もまた大変なのは嫌だといった。
そしたらチートやるから頑張ってもう一回生きろって言われた。
それからいろいろ話したような気がする。
その辺を詳しく覚えてないんだ。
最初は嫌々、その話を聞いてノリノリ。
俺って騙されやすい?
騙された?
ってそうではなさそうなんだけどな。
なんかそんな気はしない。
思考はループする。
契約神決まらない・・・
ああ、もうどっちかはアスにあった時の感覚で決めっか・・・
大事なことなんだけどどっちとも決められず俺は眠りについた。
なんか肉体的より精神的に疲れたわ。
次の日、アスにあったので輝光神、天竜神どっちも契約したいと伝える。
おそらくできるんじゃないかな?
別に契約神が3柱でもできないわけじゃないようだ。
まあ、2柱位にしたほうが法術効率は良くなるみたいだが。
「まあ、無難だな。」
だろうなと思う。
「ポツテールならそうするような気がしてたよ。お前は結構無難でまじめだからな。」
そうかな?
自分じゃわからないけどそうのかもしれない。
「それじゃ行くぞ。まずは輝光神からだな。」
アスについて神殿に行く。
輝光神の神殿は村の北側にある。
村はそれなりの大きさだから10分ほど歩く。
見た目はギリシャ風って感じの結構荘厳な感じの神殿だ。
「初めて見たよ。」って言ったら。
「お前、輝光神神殿もないような田舎の出身だったのか?ここまで出てくるの大変だったろ。」
「まあ、ね。」
『ん、なわけあるか、こんな神殿あるのギリシャくらいだ。日本には神社仏閣しかねぇ。』
生返事をしながらそんなこと考えながら神殿に入る。
神官に迎えられ、シンボルのある神坐の前にいく。
「それではいいですかな?」っとちょっとおっさんの神官が杖を軽く上げて頭にかざす。
こんな感じで契約するのか・・・
「では、『汝ポツテールは世界の理の力を輝光神【フロレンシア】の名の元に発動させることを誓うものである。』」
なんだか今言葉以外のものが混じったぞ。
そもそも契約の文言自体がなんかおかしく聞こえた。
普通の声じゃなかったぞ。
思わず目を剥いてしまった。
俗に言うびっくり目というやつだな。
そう、びっくりがそれだけならもっとよかったんだが・・・・