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町に入るにはまだ遠く

 やっと町が見えた。それなりに大きい町だ。なんとか日が落ちる前につくことができた。途中で倒したフェンリルは路銀にでも変えようと思い、収納魔法に放り込んでいる。まあ、あまり大きな額にはならないと思うが。ちなみに、この収納魔法も俺が改良したものだ。そもそも収納魔法とは術者の…

「マスター、早く町に入りましょう。」

俺が頭の中で収納魔法の解説を始めようとし始めたところで、サクラに止められてしまった。仕方ない。まず町に入ろう。



やっと門までついた。だが門が開いていないな。門番もいないし、どう入ればいいものか…。

「貴様!何者だ?魔の森のほうから来たようだが。」

城壁のほうから人が降りてきた。これは入れそうだ。しかし、5000年も経つとわざわざ門番なんてたてないのか?何か他に理由があるのだろうか。

「おい、聞いてるのか!」

ここはひとまず話をつける方が良さそうだろう。

「はい、聞いていますよ。それで、私は町に入りたいのですが…、門を開けてはいただけませんか?」

「貴様、まず私の質問に答えろ。」

質問って、さっきのやつか。俺は別に普通の人間なんだが。まあ5000歳こえてるけど。

「私は人間ですよ普通の。」

「本当か?…ということは、魔の森からきたわけではないのだな。」

魔の森ってあの森のことか?だとしたら、なぜ通ってきたわけではないと決めつけるだろうか。わからんが、ここは通っていないといった方がすんなり入れるだろう。

「はい、通っていません。」

「あっはっは!そうかそうか、そうだよな。あの魔の森に入って出てこれるやつなんてほとんどいないもんな。」

あの魔の森はそんなに危険なのか…、俺が出会ったのがフェンリルだけだったのは運が良かったな。

「よし、いいぞ。では、冒険者カードを見せてくれ。ないなら鉄貨3枚だ。」

あ、通行用の金がない。5000年前の冒険者カードなら一応あるが、多分使えないだろう。どうするか…。

「すみません、お金もなくて、冒険者登録もしてないんですよ。」

「それなら、町に入ってすぐ冒険者ギルドにいって登録してくれ。そして、ある程度クエストをこなしたら、ここに鉄貨二枚を持って来てくれ。」

なるほど、入るときはまだ冒険者じゃないからお金は払わなければいけないけど、冒険者登録をするから、少し安く済むのか。宿を探す前にやらなきゃいけないことが増えたが、まあ誤差の範囲だろう。

「わかりました。ありがとうございます。」

「よし、入れ。」

そして俺は、門の横の通路から町の中に入ったのだった。










 そういえばここの町の防衛設備、フェンリル一匹で潰れそうなほど貧弱なのだが…。森から魔獣が出てきたら一瞬で町が潰れる気しかしない。だがこれも5000年前の知識の判断だし、今俺が考えても仕方ないか。




2017/12/26誤字修正をしました。

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