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国境の町

 


 …この町まで何もなかった。いや、盗賊が3組ほど襲ってきていたみたいだ。ただ、サクラの監視領域に入った途端、こっちに来ないように無力化していたらしい。ありがたいんだが…俺も暇だし、ラツのためにも今後それはやめて欲しい。(了解しました、マスター。)

「町が見えてきた。」

「おう、そうだな。国境の町なのにそんなに混んでいないみたいだな。」

「マップを見る限り、国境を通るための扉の部分で混んでいるようです。」

なるほどな、ここはあくまで町の中に入るための門だからな。おっと、そんなことを話していたらもう門の前まで来たようだ。



「ギルドカードを見せてくれ。」

俺たちは3人ともカードを見せる。

「一応馬車の中を見せてくれ。…よし、通っていいぞ。」

確認すげー簡単だな。本当にちらっと見ただけだぞ。

「ラツ、もしかしたら治安が悪いかもしれない。町の中だができるだけ気をつけてくれ。」

「うん。」

「サクラ、お前もな。」

「はい。」

まあ、素通りする予定なんだけどな。






「すみません、国境を超えたいんですけど。」

「…見ない顔だ、豪商か、貴族の関係者ね?」

「いえ、違います。」

「なんだ、それじゃあ簡単には国境は越えられない。色々と手続きがあるからね。一ヶ月ぐらいかかるさ。」

おいおいおい、嘘だろ。また待たされるのかよ。これ、この壁ぶっ壊していいかな。

「ちょっと待て!」

お、なんか別の担当の人出て来た。

「君、その黒髪は染めたりしているわけじゃないんだね!」

「え、はい。」

なんだ、どうした?

「今、ラーズ国立魔術学院が黒髪で15歳から18歳の人間を探しているんだ。国を超えた後すぐ学院に行くと約束してくれるなら、手続きをパスして国境を超えてることができるよ。」

「それは、なんでなんですか。」

いやいやいや、なぜ黒髪を集めるんだ。何か裏があるんじゃないか。それに俺は見た目こんなんだけど実際5000歳超えてるんだが。

「最近魔王の動きが活発になって来ているということで、ラーズ王国が勇者を召喚したんだ。それが30人前後召喚されたみたいでね、それが一クラスの人数だというんだ。そしたらそのまま魔術学院でいろいろなことを教えることになったんだけど、実際こっちの世界の人間もいたほうがいい。そして、あまり違いのない人間も欲しい。ということで黒髪の若者を探していたんだ。この世界だと黒髪は珍しいからね。」

なるほど、テンプレ異世界召喚か。ちょっと興味あるな。西暦何年から飛ばされて来たのだろうか。そして、俺が召喚された国はラーズって名前なんだね。5000年前はアーズだったんだけど。さらにもう一個、魔王…だと。いやー魔王どもはちゃんと倒したし、魔神も封印とかちゃちいやつじゃなくて、完全に消し去ったんだけどなー。いやー、心当たりが全くないわけでわないんだが…まさかね。…とりあえず、何かの実験に使われるとかじゃないようだ。

「それでは、お願いします。」

「では、ギルドカードをお貸しください。こちらに、すぐに学院に向かうという文句を書かせていただきます。門の検閲や、ギルドなど、ギルドカードを確認するたびに、まずこの文句が浮かび上がる仕組みです。」

「わかりました。」

少し御都合主義的な力が働いている気がしなくもないが、ここはこれに乗っかっておこう。


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