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 次の国へ

 「マスター、おかえりなさいませ。」

街の外に出て少しのところで、サクラとラツは待っていた。ラツは俺が見えてからそれとなく嬉しそうだ。

「いつでも出発できる。」

「よし、それじゃあ行くか。目指すのは5000年前に俺を召喚した国だが、とりあえず国境をまたいでいる町まで行くぞ。」

俺たちは本格的に王都を出発した。サクラが喜々として俺の謁見室での大暴れをラツに話しながら。










 街を出て森に入ったぐらいに、俺とサクラは追ってくる人間を感知した。(マスター数人につけられています。敵意はあるようですが、どうされますか?)そうだな、こいつらは王直属の護衛部隊みたいだな。あのとき戦闘不能にした奴らだけじゃなかったみたいだな。(あぁ、マスター大暴れでしたからね。)またその話か。なん度も言うが、バフもデバフも使ってないし、武器だって持ち出していない。個人的には暴れ足りないくらいだ。(今度お相手します。)おお、それはありがたい。

「ユウキ様、五人ほどこちらに向かって来てるみたい。」

お、ラツも気づいたみたいだ。

「倒す?」

うーん、そうだな。今のラツの戦闘力だと五人はちょっと厳しいかな。(マスター、5対1だとラツが攻撃を受ける可能性があるというだけで、厳しく無いですよ。むしろ、少しギリギリの戦いも経験させるべきかと。)そっか、そうだよな。それじゃあ、実際にあたる攻撃をサクラが結界で防ぐのもなしだよなー。

「ユウキ様、もう時間がない。どうするの。」

(マスター、彼女のためを思うなら戦わせましょう。)…よし。

「ラツ、今来ているのは多分王直属の護衛部隊のうちの5人だ。今のラツなら多分勝てるがそれは相手を殺して無力化していかないと厳しい。しかし、せっかくの多対個の対人戦だ。ここで経験しておくのはいいことだと思う。どうする、ラツ。」

「やる。」

おう、即答か、心強いな。

「よし、じゃあやってみろ。今の思えなら詠唱なしで十分魔法が使えるはずだ。それに、詠唱魔法には無い魔法の使い方もできる。馬車は一旦俺の収納に仕舞って、俺とサクラは相手には見えないような魔法をかけて近くで見てる。俺は先に行ったとでも言って勝負をうまく始めろ。」

「うん。」

 

俺がさっき言った準備をちょうどし終えた頃に、王直属の護衛部隊はやって来た。道から外れて森の中を言ってラツを無視しようとするのはわかりきっていたので、ラツに了承を得て、ラツを起点に箱型の結界を貼った。奴らは結界に行く手を阻まれた後、暫く結界を破壊しようと試みていたが、それを早々に諦め、ラツの前に出て来た。

「ユウキ様なら先に行った。ここを通りたかったら私を倒してからにして。」

ラツさん、言われた通りに言うことは悪いことでは無いけども、そのセリフやられる方が言うセリフですよー。

「お前の言うそのユウキ様とか言う奴は酷い奴だな。」

「な…!なんでそう思うの、殺すよ。」

ラツさんが怒ってらっしゃる、俺のために。これは感動だ。(しかし、この冷静さを欠いた状況なら少し勝利が危ぶみます。)確かにな、だがもうこちらからはなにもしないぞ。

「いやなに、私たちに勝てないとわかったら、仲間の一人を犠牲にして逃げる距離を稼ぐような、クズだからだよ。」

おーーー、すごい的外れ発言じゃん。まあ、普通はそう思うのかな、多分。でもそのおかげで、ラツは冷静さを取り戻したみたいだ。よかった。

「まず前提がおかしい。3人がかりでユウキ様と戦ってかすり傷すら与えられないのに、それが五人になったからって勝てると思っているとか、馬鹿なのかな?それに、私がここに残ったのは私の力試しのためだから。わかったら早くかかって来て。」

ラツさん、なんか怖いですよ。それに今気づいたけど、こいつら全員女なんだなって。王の趣味か?

「私たちを舐めるものいい加減にしろよ!!!!」

ここからは実況は私、ユウキ、解説はサクラさんでこの戦いの模様をお送りしていきます。よろしくお願いします。

(マスター、なにを始めるんですか。)サクラ、付き合え、俺はこう言った勝負の実況を一度くらいしてみたかったんだ。(はぁ、わかりました。)それでは気を取り直して、実況していきたいと思います。まずは舐めるなよ叫んでいた女が背中の大きな剣を抜いて、ラツに向かっています。その時間を使って、ラツは相手に『全能力0.75倍』のデバフと、自分に『全能力1.25倍』のバフをかけています。鮮やかな動きですね。(そうですね、彼女の魔法を使うスピードは、最初の頃と比べ格段に上昇しています。これはまだまだ先が期待できますね。)ここで最初の女とラツが肉薄!その間に残りの四人もなにやら陣形のようなものを作ろうとしています。おっと!ラツが火属性の魔法を一人目の女の剣に発動、これは何かを発射するタイプではなく温度を上げるタイプのようだ、それにより、最初の女は剣が持てずに放り投げてしまった!(鮮やかですね。)ここでラツ、最初の女を対象に土属性の魔法を発動。(これはどんな物質も土に変える魔法のようですね。確かに外傷や血の跡が無いほうが後片付けが楽なので、この殺し方はいいですね。)しかし、この魔法は相手が激しく動いていると使えない魔法だ。それがわかっているのか残りの四人は動き続けている。(多分あの女がリーダーだったのでしょう。何か相談しながら走っていますね。)動揺が目に見えてわかります。お、1人動き出した、その後ろをラツに見えないようぴったりとくっついてもう1人が走る。残りの2人はサイドに回るようだ。(これだと、1人は隠れています。と言うのがわかりやすいですね。もう少し工夫した方がいいかと思います。)

お、2人並んでいた方の前の方の足元が黒くなっているぞ。おぉ!急にそこが穴になり、前にいた人が飲み込まれる!

(これは別次元に引きずりこむタイプの魔法ですね。全身が沈んでしまったら二度とこの世界には戻ってこれません。マスターほどの人外でなければ。)おい、さらっとdisるな。え〜こほん、しかし、残りの3人は沈んでいく人には目もくれず攻撃態勢に入っています。沈んでいく女が何か叫んでいるようですが、ガン無視です。おぉ、これはコンビネーションアタックのようだ、動きがそれっぽい。あぁ、コンビネーションが崩れた。(ラツがデバフを人によって変えましたね。数値は少ししか得ていないようですが、それで十分妨害になっているみたいです。)すでに勝負あったか!?これは!?1人が2人を生贄にして魔獣を呼び出した!!2人は魔力と血を吸い尽くされ完全に干からびている。(これは酷いですね。)これでは対人戦にならないぞー。おっと、召喚した1人も魔力切れで倒れている。ラツはその魔獣を対象に魔法を発動。召喚されたのはクリムゾンオーガ。攻撃力と体力はばかみたいにあるが、速さは皆無だ。と言うことは…、決まったー!!最初の女に使った魔法でクリムゾンおーがの中身を全て土にしてKO!!おお!?クリムゾンオーガが召喚した女の方に倒れていく!完全に押しつぶされたー!ラツの勝利!!!!サクラさん、最後クリムゾンオーガが女に向かって倒れたのは偶然でしょうか?(いえ、倒したい方向を土に、反対側を空気に変換することで、重さを変えて倒していました。と言うか、私の解説の部分、全部わかっていますよね、マスター)サクラさん。ここにきて雰囲気ぶち壊すのやめましょうか。まあ、戦闘は終わったし、俺は大満足したし、この辺で終わりにするか。

(マスター、この実況がしたいがために、ラツに戦わせたわけではないですよね。)…まあ、細かいことは気にしないことにしよう。(はぁ。)と、とにかく、ラツも楽勝で勝ったみたいでよかったな。(はい、王の周りにいた3人よりも、明らかに劣っていました。)これじゃあ、少し訓練としての意味は薄くなったが、まあ、いっか。

 俺たちは戦闘の跡を完全になくし、魔法発動の魔力的証拠まで徹底して消した跡、何事もなかったかのように出発した。

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