バレた
俺たちはギルドマスターのいる部屋に案内された。ラツが少し不思議そうにしている。そういえば、フェンリルの件をラツに話してなかった。
「おー、よくきたの。」
あれ、なんか前の町のギルドマスターとすごい似ているんだが、雰囲気が。
「奴から話は聞いておる。して、フェンリルの件じゃったな。オークションの設定はできた。開催は4日後じゃ。して、5日後にきてくれたらええぞ。」
おお、思ったより早いな。急ぐ旅ではないが、次の国に早く行きたいのは事実だ。
「すみません、つかぬ事をお聞きしますが、あの城塞都市のギルドマスターとはどのようなご関係が?」
正直なところ、すごい気になってた。
「ああ、あいつとは腐れ縁じゃ。学園で同じクラスになった後、何かとずっといっしょでの。ギルドの職員になるタイミングも同じで、ギルドマスターになるタイミングまで同じときた。」
「そうだったんですね。」
「うむ。」
「それでは私はここで。」
よし、聞きたいことも聞けたし帰ろう。
「ほれ、まだ話は終わっとらんぞ。」
ですよねー。
「それで、昨日の冒険者大量殺人の犯人はお前か?」
うおう、バレているぞ。これは面倒くさいな。上手くごまかせないかな。
「なぜそう思う?」
「この王都にSランク冒険者は一人しかいない。わしが知る中でそのSランクを殺せるのは王宮の直属部隊だけ。しかし、王宮はずっと存在しているウィークスライムを使った稼ぎを黙認していた。このタイミングで急に進路変更をしたのかもしれんが、その場合こっちに何か言って来るじゃろう。となると、わしが知らない人間がこれを行なったことになる。その場合、わしが予想できるのはフェンリルを持ってきたお前ぐらいじゃ。」
なるほど、かなり理にかなっているな。
「私が持ってきたフェンリルを私が倒した保証はありませんよ。」
しかし、ここがネックになるはずだ。実際のところ、城塞都市のギルドにも、私が倒したとは思われていないだろう。
「Aランクの冒険者3人を余裕で倒したことも聞いておる。仮にフェンリルを自分で倒していなくとも、それだけの実力があればSランクも十分殺せるはずじゃ。」
なるほど、確かにそんなこともしたな。そりゃ言い逃れできないわ。
「それで、何をしたいんですか?捕まえますか?」
「別にそんなことをする気は無い。冒険者同士の犯罪行為は罪に問われないようになっている。それに、わし個人としては感謝しているのだぞ。ここのサブマスターまでグルでやっておったからな。国が黙認している手前わしも動きにくい。それにトップはSランクじゃった。それを殺せるやつはこの王都にいないさ。ある意味王都のうみを出してくれたようなものじゃ。ありがとう。」
そうか、そんなことになっていたのか。そりゃよかった。
俺たちはそのままギルドを出た。そのまま宿でもう一泊するのだが、ラツに説明をせがまれ、それに時間がかかったことは御察しの通りだろう。




