吸血鬼の末裔
彼女が起きるまでの間、俺はこの封印部屋の情報から、彼女がなぜ封印されていたかを確認していた。幸い、彼女が封印された理由は、彼女が悪いことをしたわけではないみたいだ。しかし、最後の希望とか何とか行ってたがどういうことなのだろうか。
そんなことを調べて、考えていると彼女は目を覚ました。彼女はいまの状況に戸惑いながらも、魂に直接情報を書き込んでいたので、何が起きたかはわかっているようだ。魂の欠損修復がうまく行ってよかった。俺の魔法の欠点は、全て理論だけで実際に試したことがないことだな。
「助けて…くれて、ありがとう。」
「きにするな。正直自分の改造した魔法がうまくいくか試した側面が強い。」
実際そうだしな。まあ、絶対うまくいく自身はあったが。
「それ…でも、ありがとう。それで、私はこれから、何を、すればいい?」
何をって、100年程封印されていたから、いまの職業事情を聞きたいのか。
「お前はもう自由だぞ。近くの街まで送ってやるから好きなことをしていいぞ。」
正直なところ、なんで封印されていたか聞きたいが、解放されたばかりの少女にそれは酷だろう。
「私が…あなたの、そば…にいたら、迷惑?」
「別に俺に必要以上に恩を感じなくてもいいぞ。」
実際そのためにあまり恩を感じさせないようにしているのだが。
「やっぱり、吸血鬼…だから、迷惑になるんだ。ごめんなさい。」
「吸血鬼なことは関係ないぞ。それとも吸血鬼だと何かまずいのか?」
俺は、吸血鬼について普通の人よりは知識があるから、別に血をあげるくらい構わないが。
「あなたは、本当に知らないの?」
知らないってなんのことだ?吸血鬼については知ってるぞ。
「吸血鬼と一緒にいても別に害はないことぐらい知っているぞ。」
「でもっ、吸血鬼は100年前人間に迫害され、私以外みんな殺された。」
…なん、だと。嘘だろ、吸血鬼を迫害するとかまじなに考えてんだ人間。
「それは、本当か!」
「本当に、知らないの?」
しらんしらん、こちとらだてに5000年引きこもってねーぞ。これは、俺から離れるなら記憶を消すことにして、俺が5000年前の人間だって話すか。多分信じてもらえないだろうし。
「俺は、5000年前の人間なんだ。」
そう行って俺は5000年前のことと、5000年間地下にこもっていたことを話し始めた。
「それで俺はあんな魔法が使えるわけだ。って行っても信じられないよな。」
適当に省いて大雑把に話したが、まあ信じられんだろう。
「あなたは、5000年前の、本物の勇者様。」
あれ、俺が勇者だったって言わなかったんだけど。
「あんな、すごい魔法が使える人、勇者様しか知らない。」
「そして、あなたが5000年前に、吸血鬼を助けてくれたおかげで、私がいる。吸血鬼の間ではあなたは英雄。あなたには本当に感謝してる。」
そういえばそんなこともあったな。そっか、あの時助けた吸血鬼たちは元気でやってたんだな。でも、
「人間が吸血鬼を滅ぼしてしまったのか…。すまない。」
人間が吸血鬼を滅ぼしてしまった。俺も一応人間だ。すごく申し訳ない。
「謝らないで!あなたは、吸血鬼を助けてくれた。あなたのせいじゃない。」
俺は地下に籠っていたせいで、何もできなかった…。もし俺が、地下に篭らず、地上にいたら…。
「私はあなたの力になりたい。でも、吸血鬼は人間と魔力が違うからすぐに見つかる。そして、見つかったら殺される。だからあなたに、迷惑をかけないために、私はついていかないほうが、いいと思う。」
なるほど。迷惑だからか。
「実は、俺が持ってる魔法を使うとその魔力の違いもどうにかなるが、そしたら君はどうしたい?」
実際それは結界魔法をうまく使うと何とかなる。俺の好奇心で封印を解いたんだからちゃんと自由に生きられるようにするまでやらないとな。
「あなたの力になりたい。…だめ?」
…非常に嬉しい申し出だが、もう自由になっていいのに。
「必要以上に俺に恩を感じなくていいんだぞ。」
「あなたの力になりたい。何でもする。」
なぜ、こんな俺の力になりたいのか。しかし、そこまで俺の力になりたいって言ってるのなら、それを無下にするのも悪いな。
「だったら、俺の研究に付き合ってくれ。」
雪華うここまで言ってるんだ、研究の被験体になってもらおう。
「はい!!」
「いいのか、実験の被験体とかやるんだぞ。」
「もちろん。私はできることなら何でもしたい。」
「そっか、じゃあよろしく。」
そして俺の観光に新たな仲間が加わったのだった。
やっとヒロインが登場した。…サクラは、まあ、ね。




