フカフカソファに座ると腰が痛くなる
これは、何かの夢だろうか。
とある試験をしているとき、それは起こった。
大きな音と誰かの叫び声のあと、目の前が真っ白になって、気がついたらここにいた。
ここは、社長室のように見える。
フカフカそうな椅子と高そうな机、お客さんが来た時用だろう長い椅子と長机。
壁には本棚が並んでいて、少し圧迫感があるというか、狭いと感じる。
さて、では本題だ。
ここはどこなのだろうか。
見たところ俺が知っている場所ではない。
さっきいた試験会場でもない。会場はもっと広かったし、人もたくさんいた。
っていうか全然違うからね、可能性としてあるとすれば目の前が真っ白になったとき、目が眩んだ一瞬で俺を社長室まで連れて来たとか……、いや、それをする理由がないのだが。
「あ、こんにちは」
後ろからカチャッという音が聞こえ、結構若めの女性の声が聞こえた。
ビックリした。ノックか何かしてほしかった。それでも驚くだろうけど。
「こんにちは?」
失礼だろうが、振り返りながら挨拶を返した。
いや、返す最後の音で少し戸惑いが生まれてしまった。
目の前にいる彼女は金髪碧眼の美女だった。
まず始めに思ったのが、日本人ではないだろうなということだ。顔の作りからして俺と彼女じゃあ全然違うし、まったく傷んでいない金髪と夏の空のような青色の瞳の日本人なんていないだろう。
あと美女だけど結構派手だった。何か背中に羽根乗っけてる。
胸はDカップ以上はあるだろう、2月なのにワンピース一枚しか着ていないのは少し不気味だった。外国の幽霊ですと自己紹介されたら納得してしまうと思う。
「貴方は神を信じますか?」
「は、え?神様ですか?一応、信じてはいますけど……」
貴女の信じる神と俺の信じる神は多分違うだろうけど、なんて無粋なことは言わない。
どこの宗教だろうか、コミュ障な俺に彼女の話を聞きながらこの場をそれとなく抜けることはできるだろうか。
「わかりました、そこにお掛けください。」
「えっと、えっと、はい」
長い椅子、というかソファは体が沈んで腹筋が辛くなったということだけ言っておこう。