上田さん…??
ーーー倉木龍に手を振る女性。
女性にむかって手を振る倉木龍。
私はそれをムカムカしながら眺める。
「なんだ、彼女いるんじゃん。」
そして、私は倉木龍にこう言う。
「彼女がいるならメールしないで。」
驚く倉木龍と女性。
ーーー「起きて、目、覚まして」
え?
パチッ
「あ、、、れ私?」
「寝てたんだよ。大丈夫?」
上田さんが私をのぞきこむ。
ああ、さっきのは夢か。
変な夢だったな…
「ああ、大丈夫です。」
「そ?」
ニコッと笑う上田さん。
彼女いないっていってたけどホントかな。
モテそうなのに。
「晩御飯どうする?今日みくさんね、最近男に惚れたらしくて、そいつと食べるらしいから、俺らだけなんだけど。」
「あ、そうなんですか…うーん…」
「ここのキッチン借りて何か作ろうか?
疲れ溜まって動きたくない感じでしょ?」
「あ、はい。慣れない仕事だったんで。」
「そこで寝転んだまま待ってて。」
「あ、でも私作りま…」
「俺つくるから。」
「あ、はい。ありがとうございます」
上田さん優しいな~
お兄ちゃんみたいな温かさがある。
そんなことを考えてたら、いつの間にかまた眠っていた。
***
「愛ちゃーん?」
「はひっ」
パチッ
「あ、すいません。寝てました。」
「ううん、いいよ。大丈夫。」
「あ、おいしそう」
上田さん、料理もうまいんだ。
「いただきまーす」「いただきます」
「愛ちゃんてさ、彼氏いるの?」
「いや、今はいないですね…」
「前はいたんだ。」
「あ、はい。一番最近のが、このお店にくる前大学生だった頃ですね。」
「どんくらい付き合ってたの?」
「入学当初から卒業まで」
「なのに別れたんだ?」
「私がこのお店を希望した理由を、彼が店長目当てって勝手に判断しやがりまして、あはは。」
「それで?」
「喧嘩になりまして…いつもなら冷静に私のことわかってくれてるのになんでかって思ったら、彼のほうが浮気し始めてたみたいで…なんか、残念な女の話ですよねっ、すいません。」
「それ彼氏悪いね」
「うーん,でも好きだったんで、いいんです。それで」
「今もすき?」
「今は全く好きじゃありませんよ。」
「ふーん。愛ちゃんってどんなのがタイプ??」
え…いきなり何急に言い出すんだこのひとは。
「私は…好きになったそのひとがタイプかな…」
「好きになってもらわないと俺達タイプ外なんだ、あはは」
「えへあははっ、。」
「ねえ。愛ちゃん。俺ってどうおもう?」
「上田さんですか…?」
どうだろ…そんなふうに考えたことないしなぁ…
「わかんないですけど、いいひとですね。っておもいます。あ、あと。お兄ちゃんみたいです。」
「お兄ちゃん?」
「はい。」
すると、上田さんは大きな溜め息を「はあぁ~」ってついてこっちを見た。
「じゃあ俺って恋愛対象として見られてないんだ?」
「上田さん…??」