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異能と理能の境界線  作者: randelio
chapter,Ⅰ
3/3

Ⅰepisode,Ⅱ 決められた出会い

「・・・血・・・なのか?」


祐一は息をのんだ。

今、自分の前の少女の綺麗な体の一部から大量の血が流れ出している。

少女の怪我は見た限り重症

背中に大きな、銃弾で打ち抜かれたような傷が2つあるように見える。

「くそっ」と祐一は眉間にしわを寄せる。


今まで血まみれの少女を見るのは初めてだ

対処法は、無い。


「きゅ・・・救急車・・!!」


急いで俺は右ポケットから携帯を取り出す。

救急車の電話番号は、11・・・

、最後のボタンを押そうとした時、祐一の右手首が細い腕で掴まれる。


「・・・・・っ!?」


祐一は眼を大きく開いた。

目の前にいる少女が祐一の右手首を掴んでいた。


「・・お前、意識が・・あんのか?」


「  。」


少女は何か呟いているように見える。

それでも祐一にとっては口パクにしか見えなかった。


「・・どう・・したんだ? 救急車を呼んじゃ、だめなのか?」


少女は微かに、首を縦に振る。


「じゃあ、どうすんだ? このままだと死んじまうぞ!?」


「・・て」


少女は微かな声で

本当に微かな声で、


「・・ここ・・から、逃げて」


逃げて・・

祐一はその言葉に理解ができなかった。


確かにさっきまで、祐一は不良の3人組に追われていた、今でも祐一のことを探しているかもしれない。

しかし、それほどのことだろうか?

自分は死にそうな状況で、不良からカツアゲされるのを死守するために、祐一にそんな言葉を掛けるだろうか?

そんなことはあり得ない

きっと、他に、何か・・・理由があるに違いない。


「いや・・だめ・・だろ! 何で死にそうなお前を置いて逃げなきゃいけねぇんだ!」


「・・・・っ・・だめ・・だめ、なんだよ・・」


彼女はボロボロの体を支えるように、無理やり声を上げるように






「逃げてよ、祐一!」






「は?」


祐一は少女の声を疑う。

何故、俺の名前を知ってる?

祐一はこの少女に会ったことはない、今初めてあったはずだ・・だけど、少女は知っていた。


俺の名前を・・




「お・・い、お前・・・俺と一度会ったこ・・・」





言葉を遮られた。

一つの錆びた音、銃声で・・。




「あぁ~、見つけちった、見つけちった~」




祐一の後ろから、男の声が聞こえてくる。

その声は笑っているようで、怒っているようで。

祐一が咄嗟に後ろを振りかえると、白衣をまとった細身の中年の男が俺達を見下すように、








「ふぅ~、おまけ付き・・・・かぁ」










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