Ⅰepisode,Ⅰ 始まりはコール
『バカか? 良く聞け、今から20分以内に学校に制服を着て来い、時間制限を守らなかったものはもれなくこの俺様によってお前の脳天を串刺しにする、分かったな?』
と、ここで通話終了。
何という脅迫じみた電話なことか・・朝の電話で起こされた。
今日は土曜日で学校は休みのはずなのに、7時半に起こされてしまった。
土曜日と日曜日は学生にとっては祝福の時だと言うのにそれを打ち壊される。
少年は頭を掻き、状況を整理した。
少年は高校一年生、色素の薄い青色をした髪に人並以上には整った顔立ちのこの少年は錦城祐一、只今青春を歩んではいるが、邪魔されつつある・・さっきの通りに
「ってあの野郎・・人様の休日をぶっ壊す気か・・・」
とは言いつつも学校の制服に早速着替える。
異様に眠気が誘うので頭がボーっとしてしまう。
何故なら明日は休みだからと言って夜中までゲームをやっていたのが原因だ。
「ちくしょう・・何であいつはああいう性格なのは分かってたのに、ゲーム何かやってたんだ俺」
深夜の自分の行動に祐一は後悔した。
はぁ、と溜息を何度も付いたところで着替えを終えると、自分の部屋から出るとそこにはリビングに一人の男がいた
「ん? 何だ祐一・・今日は土曜なのに制服なんて来てるんだ?」
この男は錦城祐次郎、裕也の父親である。
「あぁ親父、友達に生徒会の仕事を頼まれてさ・・・ちょっと行ってくる」
「何だ、飯は食っていかないのか?」
と心配げに言うこの親父・・だが、錦城祐一にとっては本当の父親ではない。
「祐一~昼ごろには帰ってくるんだよな?」
、と玄関を出ようとすると祐次郎が祐一に声を掛けてきた
祐一は「ん?」と振りかえり祐次郎の顔を見る
そこで祐一は二カっと笑い
「大丈夫だよ、何心配してやがんだこのジジィは! そんなゴツイおっさんに過保護にされてたまるかっての~」
「な、何ぃ!?」
祐次郎は何か言いたそうにしていたが、一応20分以内ということなので飛び出すように家を出た
◆
現在15分経過
流石にやばいと思いつつ、祐一は足を思い切りに動かし走っていた
「(後5分・・やばいなこれ、これじゃ・・確実に串刺しコースまっしぐらじゃねぇーか!)」
祐一はできる限り早く学校に行くために近道をしようと近くの狭い路地裏を通過し、猛ダッシュをしていたら曲がり角で人にぶつかってしまうベタなイベントが発生してしまった。
実際パンをくわえてでの登校ではないし、
実際ぶつかってしまった相手は可愛い女の子ではない
少々社会からも敵視される不良の3人組の一人にぶつかってしまい俺は容易に吹っ飛んだ
「っ・・たた・・あっ!すいません、大丈夫っすか?」
「あぁ?」
ギロリと睨みつけられた挙句に不良3人組に取り囲まれる状況になってしまった。
「えっと・・何ですか? こっちは今すぐにでも学校に行かなくてはいけない理由がありまして」
「何だ、人にぶつかっといて何だその態度!? ぶっ殺されてぇのか!?」
「アハハハ、やめろって~僕達そこまで鬼じゃないからさぁ、お金くれたら大人しく帰るってば」
ギャハハハ、と不良たちはあざ笑う、祐一は冷や汗を掻き、
「あははは、冗談きっついなぁ~、最近の男子高校生は金欠気味なんですよ?ということでお金はちょっと勘弁してくださるとこちらとしても助かるんですが?」
不良たちの顔つきが変わる。
一気に戦闘態勢にモードチェンジ
「金ねぇーなら、早く言えよバカが、仕方ないから痛い目合って我慢してくれや」
「これは予想道理の結果だあああぁあ!」
祐一は3人の不良をうまく振りきってその場から飛び出し、全速力で逃げる。
「逃げやがった!」「捕まえてぼこるぞ!」
と、後ろからとっても怖い叫びが聞こえるが祐一は気にせず、今は必死に不良たちから逃げることを優先に足をがむしゃらに動かした。
「(なんだよ畜生・・! タイミングが悪すぎるんだっての! こちとら急ぎの用事があるから近道で通っただけなのに、何故あのタイミングで俺の人生初のカツアゲされなきゃいけねぇんだよぉ!)」
心の中で祐一は愚痴を吐きつつ走り続けた。
「(今日に限って最高に運が付いていない・・・よりによってこんな時にーーー!!)」
路地裏の中を走っていると、下の障害物に気付かず足を引っ掛けそこへ転倒した
「ヘブシッ!?」
頭からの転落、かなりの衝撃的ダメージだった。
「アアアアアァアアアアアアゥ!? 頭がぁあ!?」
あまりにもの痛みに地面を転がりまくった
すぐ近くに俺を探しているであろう不良たちがいるのに、こんなところで倒れてたら良い笑い物だ
裕一はその場を立つと、一人の女の子が地面に仰向けで倒れている光景が見えた。
「は? なんでこんなところに女の子が?」
銀髪の綺麗な長髪に幼いが美しく整った顔立ち
服は、病院で見かけるような入院中に着るような白い服を着ていた
「えっと・・・どこかの病院から抜け出してきちゃったの・・かなぁ・・・?」
祐一は考えた。
この状況は初体験のイベントだ
何故このような路地裏に儚げな女の子が倒れているのか・・。
この状況で何て声を掛けたらいいだろう?
「こんなところで寝ているの風邪をひいてしまいますよお譲さん?」と紳士的に話しかけるのは〇
ここでこの女の子を放っておいて学校へ行くのも〇
だが、後ろの手段は人間としての人格が疑われるので祐一は取り合えず寝ている女の子の肩をゆすって声をかけてみる
「あの~、こんな薄暗いところで寝ていますと風邪ひきますよ~・・・」
しかし、反応が見られない、爆睡しているのだろうか。
「いや、こんなところで爆睡っていうのも不味いような・・」
祐一はぼそっと呟いた。
そこで、だったら体を起こしてあげればいいじゃないかと思い、寝ている体を持ち上げようとすると、掌にドロッと変な液体がへばりついたような感覚が祐一に襲った
「なっ・・何だ!?」
あわてて掌を見てみると、そこには黒くて、赤い液体が掌にへばりついていた
それは、この女の子の背中から流れている『血』だった。