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呪術は小説より奇なり  作者: 麻人 弥生
妖刀村正擬き

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28/40

村正の災難

「えっ!!店主さん私たちのこと見えてたの!?」

「失礼、お邪魔しているわ」


「なんか思ってた反応と違うな」


「そうですね。私たちも普段は怖がられる側だからかな」

「それにしても、あなたは誰なのかしら?」


「この状況で俺に先に名乗れって、まぁいい。俺は村正だ」


その言葉に空気は静かになる。


「私は今野不如コンノシカズです。こちらは付喪神の真理マリちゃん」

「へぇ、付喪神。初めて見たわ。

それで、お前らは何をしに来たんだ?」


そう言った村正の手には小振りの包丁が握られていた。

それでもまるで、日本刀を持っているかのような威圧感があった。


「私達は、村正擬き・・・じゃなくて最近起こっている事件の解決の手掛かりを探していて・・・」

「別にやましいことしている訳じゃないから安心しなさい」

真理はそう言って踏ん反り返っている。


「村正擬き・・・擬きね・・・」

そう呟くと村正は喉を鳴らして笑いだした。


「この男、どうやらおかしいわね」

その様子を見た真理は不如に耳打ちをした。

「真理ちゃん。そういうのは思っても言わないものだからさ・・・」


「いいだろうお前らに手を貸してやる」


「残念だけれど、誰もあなたに手伝って欲しいなんて話、していなかったみたいだけれど?」

「村正さん。とりあえずその右手の物騒なものは何処かに置いてもらっていいですか」


「あぁ、これか。物騒か。ほれほれ」

こちらに包丁を向いた瞬間だった、

「月の裏側を覗く」

静かに真理がそう呟いたのを隣に居た不如は聞いた。

言葉が耳に届くか否か。村正の頭上には何処からか大きな鉢が現れると重力を受けてそれは落下した。

鈍い音を立てて頭をかち割らんとしたそれは男を気絶させるには十分だった。

「不如が危ないと言っていたでしょう?」

「あ、ありがとね〜真理ちゃん〜(チョットヤリスギダケド)」

そう言って不如は物理干渉ポルターガイストを使って包丁を遠くへやった後で、何もない和室へと気絶した村正を移動させた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「えいえい」

ぱしゃぱしゃ

「えいえい」

パシャパシャパシャ

「えい」


「やめんかこの馬鹿共が!」

目覚めた男の上半身はいつの間にビショビショになっていた。

こいつら気絶させた俺の目を覚ます為にどれだけの水を掛けやがったんだ。


「あ、起きましたね!ほら、真理ちゃんごめんなさいしないと!!」

「申し訳ないけれど、あれは正当防衛だったと思っているわ」


全く悪びれる様子ではないが、女子供を相手に包丁を振り回した俺の落ち度も結構なものか。

「まぁ仕方がない。俺も興奮してたからな。両成敗にしてやるよ」


「興奮だなんて気持ちが悪いわね。もう一つ鉢を用意した方がいいのかしら」

「もー、話が進まないでしょ!こっちだって急いでるんだから!兎に角!知っていることを教えてもらっていいですか?」


「わかった、わかったよ。お前らが村正擬きと呼ぶものは、元を辿れば俺の弟だ」


以下 回そ


「待ちなさい。この話かなり長そうだけれど大丈夫なの不如?」

「だからもー、真理ちゃんは!話の腰を折らないの!」


次回 回想。

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