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呪術は小説より奇なり  作者: 麻人 弥生
妖刀村正擬き

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27/40

幽霊に不法侵入は適応されません

私は真理ちゃんの本体である西洋人形を物理干渉ポルターガイストで浮かせて阿佐ヶ谷へと出発しました。

道中には色々なことがあったけれど、かなりの寄り道になっちゃうから詳細はまたの機会にしようと思います。


そんなこんなのなんだかんだでシンカイに着いた私たちは実体のないこと身体をいいことに鍵のかかった裏口を開けてしれーっと店内へ侵入しました。

さて前回招かれて入った時から特に変化は無いように感じます。が・・・。

「それで私たちは何を探せばいいのかしら?さっき話していたトリガー?」

「うーん、その予定なんだけど真理ちゃんなら一目見ればピーンと来るかなと思って」

「それは・・・どうかしらね」

兎に角、頑張っているナントカ君や四子ちゃんに何か事件解決のヒントを見つけてあげたいのです。

考えてみてもやっぱり証拠がないとどうしようもないしね。

その点、私たちは幸いにも幽霊。

勿論いいことばかりではないけれど、私たちであれば多少の秘密を探ることなんて朝飯前って感じのはず。


「とりあえずさ、前回は行かなかった2階とか探してみよう!」


そんなに大きくはない店兼住居な建物内を一通り探してみたけど、どうにも何も見当たらない。

その間に一応何回か店側を覗いたけど、店主さんはずっと接客中だった。

不如シカズのアテも外れちゃったみたいね。この後はどうするの?」

時計を見ると学校を出てからすでに2時間ほど経っていて驚いてしまった。

この体になってから気を抜いたり集中すると時間がすごい進んでしまうのだ。

しかし夜に向けての作戦会議をすることを考えるとそろそろ戻った方がいいかなーとか考えていた矢先にふと思い出した事が口から出ていました。

「ナイフってあった?」

「ナイフ?ないふ・・・?前来た時に見たセットのやつの事かしら?」

「そうそう。なんかアタッシュケースみたいなやつに入ってたじゃん。アレ結構おっきかったよね・・・?どこかにあった?」

「そう言われるとなかったかしら。探してなかったから確かって感じだけれど。でもあんなの嫌でも眼に付くわよね」

「つまりあれが置いてあるはずの場所が何処かにあるはずだよね」

前回確認した時には確かに何もなかった。

だけど今の私はあのナイフセットに何かを感じて仕方がない。

そして私は、気になったことはこの目で確かめないと寝起きが悪い性なのだ。

幽霊だから寝なくてもいいんだけどね。


そして私たちは再度建物の中を探し回りました。

店側ももう一回私が確認したけれど影も形もありませんでした。

でも、店主さんはあの日聞いてもいないのにわざわざどこかから出してきたんだろう。

ぐるぐる考える。上を探しても見つからないとすると・・・下かな?

「真理ちゃん。私ちょっと下がないか見て来るよ」

「下?」

私は自身の座標をずらして宙に浮く要領で廊下の床を突き抜けた。

座敷牢へと続く隠し階段を見つけた時と同じようにして床下を探し回ってみた。


「あった!」

床下収納的な所に格納されているアタッシュケースを見つけ出しました。

顔を廊下の上に出すと場所は台所らしかったけれど、揃っている道具的にどうやら刃物を研いだりするときにもここを使っているんじゃないかなといった具合です。

見つけた際に結構大きな声を出してしまったからか、声を聞いて真理ちゃんがやってきました。

「あら。そんな所にあったの」

台所の床下収納に仕舞い込んでいた何て確かに想像の範疇外だもんね。

さてとりあえず早く中身を確認して・・・。「あれれ??」

物理干渉ポルターガイストで収納を開けようとしたが開かない。

「なんだろすっごく重たいのかな・・・。えい!やっ!!うりゃー!!!」

ウンともスンともナンともカンとも上手くいきません。

なにこれ?初めてのことに戸惑う私に何かを確認した様子の真理ちゃんは言いました。

「不如これお札が扉に貼ってあるわ。詳しい効力は分からないけど多分それのせいじゃないかしら」



「幽霊だからって、他人の家で好き勝手するなって事だよ」

背後から男の声に動いていない心臓が飛び出そうな気持ちで振り向くとそこには店主さんが立っていました。

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