葉の色くすんで
「んで」は蛇足(笑)
陽をあびるだけじゃ 色づいてはゆけない
深い闇にくぐらせて 陰影を纏ってこそ
映えるのだと
面を塗り潰すしか知らない季節の筆づかいに
葉の色くすんで
花は咲き損ねにも気づかないまま
散りどきをむかえる
待つ恋に 蝶は宙を
舞い蹴る もうろうと
更けない白夜に 闇を奪われたなら
帰らずる日々への悲劇と悪夢に悩まされるけど
やがて減る辛気に
いまは顔をしかめながら
せめて極夜に沈まぬことをさえ
めぐみなのだと嘯こう
ためいきを祓うように見まわせば
葉の色くすんで
「らずる」であってるのです。