身長
本編とは少し違う部分が入ります。
本編では「物語」であることはわかっていません。
「で、言い訳はありますか?」
「ないです…」
祈流はしょぼんとした様子だった。
「……こんな手紙を出す必要、あったのか?」
「…僕が呼んでも来てくれないでしょ?」
「……」
祈流以外の三人は一斉に黙った。
「なんか言ってほしかった」
「そんなの知らないよ」
律輝がそっぽを向いた。
「集まってしまったならもう仕方がありません。用事は何ですか?」
「えーっと…」
「まさか、しょうもない理由じゃないよね?」
(律輝、怒ってる…)
「そのー、読者さんに僕たちのことをもっと知ってもらおうと思って…」
「読者?何の話を…」
「…なるほど、そういうことですか。それなら喜んでお引き受けします」
「えぇっ!!」
「律さん、優さん、ここは乗っておいてください」
「んー…」
律輝は少し考えた後、頷いた。
「凪がそういうなら乗っとく!」
「俺もそれでいい」
「だそうですよ」
「よかったー、じゃないとこの物語が終わっちゃう」
律輝は不思議そうに祈流を見つめた。
(…この物語?)
「よ~し!、じゃあ初めは身長から!」
(……なにがしたいんだ?)
「なんで身長をいわないといけないの!?僕、いやだよ!」
「律さん。これは仕方のないことなのです。だから、頑張ってください」
「…あーもー!、言えばいいんでしょ!言えば!」
(律輝が怒りすぎてまるで別人のように見えてくる)
「僕の身長はだいたい、五尺二寸《158cm》だよ!」
「…もしかして、律輝は身長を気にしているのか?」
「そんなの、聞かなくてもわかるでしょ……」
「…応援、しとく」
「……うん、ありがとう」
律輝は落ち込んだ後、凪が俺に話しかけてきた。
「優さんは身長、どのくらいなのですか?」
「五尺六寸《169cm》だ」
「そうなのですね」
「凪は?」
「四尺九寸《149cm》です」
「そうなのか」
俺がそういった後、沈黙が訪れた。
そしてしばらくして祈流が話し始めた。
「僕の事、忘れてない?」
「え?…あぁ、すみません。どうぞ」
「僕の身長は五尺九寸《178cm》だよ!」
「…意外と高いな」
「そうでしょ~」
祈流は自慢げな顔をしてそう言った。
「よしっ!この調子でつぎもいくよ~!」
(……楽しそうだな…)
「……はぁ」
律輝がため息をついたのに気づかずに、俺と祈流は話していた。
唯一気が付いた凪は、律輝を慰めるのであった。
皆さんこんにちは!
波澄 怜です。
まずは、今作品を読んでくださり、ありがとうございます!
そして、このエピソードは私が活動を休止する前の最後の作品になると思います。
四月頃には戻ってきますので、その時はまたお願いします!
では皆さん!お元気で!!
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