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相手が好きだと気が付いてからが、片思いだと思う。だが、どれ程両思いだろうとお互いが気が付かないのであれば、ただのテレビ越しでみるアイドルに恋をしているのと同じだ。

だとしたら、女は2種類いる。

アイドルに恋をする派と必死になる派。

前者はただ思うばかりで相手に伝えない。後者は堂々と好きだと相手に伝える。

男はどちらを好きになるのかなんて人それぞれだ。古風で大和なでしこみたいな女性を好むのならば前者。イマドキのチャキチャキを好むのならば後者。

女を2種類に分けれるのならば男だって2種類に分けれることが出来る。



相原は少し浮かれていた。

その発端は姫崎にある。


『前、うちと長原さんと河谷君でゴルフ行ったやん?その時に聞いたんやけど、相原さんの事どう思う?って』


どう思う?とは、恋愛感情無しでの話だ。

長原曰く、嫌いか好きかで言えば好きだがワーワーと責め立てられるとウンザリすると。

相原だけではなく、黒木も同じだと。

そんな話を聞いた後の相原は、特段嫌われているわけでは無いと知った。


「はぁ、相変わらず分からん!!」

「だから、来週13日に聞けば?」

「そうだけどもよー」

「え、相原さん、好きな人いるんですか?」


以前にも言ったがこの話の登場人物は本気で多い。

そんな次なる登場人物は、今年入社した通称・うりー事、瓜川汐音(ウリカワシオネ)だ。

瓜川自身は喫煙者では無いが、相原や姫崎に懐いている為、時々仕事終わりの一服をする2人に着いてくるのだ。


「え、うん、いるよ?」

「えー!誰ですか!?」

「え、長原君」

「……え、マジっすか!?」


瓜川が驚くもの仕方が無い。

相原が長原を好きだと言う行動を全くと言っていい程、取っていないのだから。


「いつから何ですか!?」

「うーん、6月の頭」

「どんな所が好きなんですか!?」

「……さー?どこやと思う?」

「え、質問されても知らないです!!」


きっと相原は分かっているのだ、長原のどこが好きなのかを。だが、それを言ってしまうとこの気持ちが消えてしまいそうだと感じた相原は、瓜川の質問を質問で返した。




「で、切っ掛けは何なんです?」

「いやぁ、ビール一気飲みしたら、好きだって気が付い」

「何なんですかそれー!」

「仕方が無いよ、この歳で好きな人が出来るなんてしかも、7つも年下を好きになるなんて想像もしてなかったんやし」


後日、相原は瓜川と行き着けの大阪梅田の茶屋町にあるあのカフェに着ていた。

傍から見れば相原に敬語で話している瓜川が後輩だと分かるが、10歳も年の離れているなど誰も想像付かないだろう。

相原自身、年下に懐かれる事が多く変に年上ぶる事も無く、相手の歳に合わせて話をしているからだ。


「にしても、あの長原さんですか……なかなか難しいですね」

「だよねー」

「なんせ、謎が多い人ですし」

「皆、言ってる」

「でも、好きなんでしょう?そういう所が」

「うーん、違うかな、謎が多いから好きとかじゃなくて、うちな、長原君の声が好きやねん」

「声ですか?顔じゃなくて?」

「うん、あの声うち好みやねん!!」

「へー、そうなんですね」


普通の恋愛と言うものを自分自身知らないが、普通の女性なら顔が好きとかだと思うが基本相原は、相手の顔を見て話す事が出来ない静止恐怖だからなのか、相手の声色に凄く敏感で低い声でも相原の中では何種類も分類され、その中で長原の声は相原にとって、居心地の良い声質なのだ。


「あ、姫さんからや」

「姫崎さん、なんて?」

「うーん、どうやら長原君、家帰ってクリームシチュー作るらしいで?」

「え、なんでクリームシチュー?」

「さー?好きなんちゃうん?」


姫崎からのLINEを読み上げる相原に不思議そうな顔をする瓜川に、


「汐音、ケータイ貸して?」

「え、何で?」

「クリームシチュー作ったか確認したいから」

「え、相原さんのケータイから……」

「うち、LINE知らへん」

「……マジっすか!?」

「マジっす」


未だに連絡先を知らない相原に驚きを隠す事が出来ない瓜川に、早く!!と強請る相原に長原とのトーク画面を開いて渡すと、脳内明治の女だと思わしくない速さで文を打っていく相原。


【お疲れ様です!!

姫崎さんと相原さんから聞きましたが、クリームシチュー作れましたか?】


「よし、直ぐに返って来ないだろう」

「そうですね、長原さん仕事以外の返事遅いです……っ!」

「早っ!?」


【何で知ってるんや?てか、情報回るの早すぎ!!笑】


【相原さんが、隣で教えてくれました!!てか、この文、相原さんが、打ってます笑】


【笑笑、帰るの遅くなったので作ってないです!作ったら見せますね笑】


【うん、見せてね笑】



相手が年下ではなく年上相手だと分かった瞬間、“笑“2個で切り替えて来た長原に少し関心した相原と、早くLINE交換しろよ!!と心の中で叫んでいる瓜川を、何も知らない仕事帰りの中年サラリーマン達が若いって良いよなーと思っている事など、誰も知らない。



これからの展開をお楽しみ頂けたらと

思います。


そして、もし宜しければ評価・感想を

頂けたら嬉しいです!!


それでは、

また、来週木曜日に

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