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意中の人とご飯に行くと、座る場所に困った事がある人もいるだろう。心理的な話になるが、好きな人のどちらか左右に座ると、良いとよく言われる。だが、私的には斜め前に座るとさり気なく相手見れるので、オススメだ。
「え、長原君って7つ下に妹がいるの!?」
「そうなんですよ」
阪急梅田駅から姫崎達と合流するまでずっと手を繋いでいた2人。
流石に、姫崎達の前でそのままではいられない。だが、何かあったんだろうと察した姫崎は相原を見て、いい事があったんだなと思った。
「僕も妹がいますよ」
「意外!河谷君は弟って感じがしてた!?」
「よく言われます」
人懐っこい笑顔で応える河谷に相原の隣にいる姫崎も意外だ!と頷いた。
因みに、河谷も相原が長原の事が好きだと姫崎から聞いているので......
「僕的には、相原さんが末っ子ってのに驚きですよ!?ね、長原さん?」
「え、あ、うん」
「そうかなー?」
「そうですよ!だって、凄く面倒見が良いじゃないですか!?ね、長原さん?」
「あ、う、うん」
一々、同意を求める河谷に、うん、としか言えない長原が面白いのか、河谷に応戦するかのように、
「しかも、多趣味だし!」
「あ、分かります!色んな話出来ますもんね!?」
「そうだよね!?」
珍しく姫崎が目の前の食事に手を付けずに話に参戦してきたのだ。
酒の力を借りて相原と長原の色んな情報を聞き出そうと、必死な姫崎と河谷に対して2人はというと......
「何か飲む?」
「あ、いえ」
「ほな、お冷貰っとこか?」
「あ、ありがとうございます」
と、姫崎達の空いたグラスやお皿等を片付けたりと長男長女を発揮していた。
ちなみに相原は次女末っ子なんだが......
「では、僕はJRなので!」
「うん、今日はホンマにありがとうね?」
「また、飲みに行こうな!?」
「あはは、はい、また誘ってください!」
時刻は22:30。
二件目!と行きたいところだが、河谷は京都の山科まで帰らないと行けない。お開きだ。
先に行った長原と姫崎に続いて歩き出そうとした相原に河谷が、
「相原さん、また攻略難な人を好きになりましたね?」
「......え?」
「良いですか?今まで付き合ってきた人は全く違いますからね?長原さんは、本気で口下手な人なんです。あと、凄く嫉妬深いです」
「う、うん。ほんで?」
「だけど、相原さんなら大丈夫ですよ!?」
「え、あ、ありがとう」
そこまで話終えると、長原が戻ってきた。
「相原さん、河谷と積もる話もあると思いますが、ほら、行きますよ!?」
「え、な、長原君!?」
もう一度、行きますよ!!と相原の手を掴み行ってしまった。
......うん?あれ程、姫崎達の前で手を繋いでいるのを見られたくなかったはずが、今はな、何と!?堂々と繋いでるじゃないか!?
「あれ?あの2人ってもう、付き合ってるんだっけ?」