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男女で仲良く歩いている。たまに街中でこういった人達を見掛けないだろうか?

そして、そういう人達を見掛けると、あの二人の関係は?と、ついつい考えてしまう事はないだろうか?友達?上司部下?同期?だが、一番簡単に思い付くのは......



「......はい!?」

「どうかしました?」

「いや、何でもないよ」

「......」


無事に梅田に着いた、相原と長原は姫崎達と合流する為に帰宅をしようと足早になっている人達の中を歩いていた。

勿論、歩きスマホはしてはいけないのだが、姫崎との連絡の為にスマホを見ていた相原が、急に叫んだのだ。


「(どこで、見られた!?)」

「姫崎さん達には、先に行ってもらいましょうか?」

「(マジで最悪やん!!)」

「あ、相原さん?」

「(いつ、すれ違ったの!?)」


好きな人の声すら聞こえない程、相原は焦っていた。その答えは相原が握っているスマホの中にある。


【こずぅ、なーに若い子と楽しげに歩いてるの?】

【良いなー、若い彼氏がいてー】

【こず!!隣にいる人が、噂の長原さん?】


そう、この帰宅ラッシュ。人で溢れ返っている阪急梅田。

誰がどこで何を見ていようが気が付かない。

丁度、阪急梅田店のマクドナルド付近で、立て続けに3件のLINEが着たのだ。


「大丈夫ですか?」

「(あゆちゃんはまだ良いさ、だけど後の二人には、知られたくなかったー!!!)」

「......」


一人は親友の樋口あゆみだ。だが、あとの二人は飲み友だ。飲み友という事は、酒のあてにされる!と焦っているのだろう。


いやいや、私は隣でシュンっと、まるで大好きな飼い主に怒られた犬のような顔をしている、長原に気が付かない相原に焦っている!!!

え、皆さんもそうでしょう!!!?


【香坂、相原さんが俺の話を聞いてくれへん】


相原がLINEの3人の相手をしている横で、長原は高坂にヘルプLINEをしていた。


【相原さん、何か一つの事に集中すると周り見えてないんです】

【え、そうなん!?じゃ、俺はどうしたら良いん!?】

【何かアクション起こしたら現実に帰ってきますよ?】


私は思った。どうして香坂は、相原の取説を知っているのだろう?と......きっと、長原も私と同じ気持ちだ、相原じゃあるまいし、もう一度言おう!!長原だって私と同j......


「相原さん、あまり離れないで下さい!!」

「え?」

「ほら、行きますよ!?」

「あ、はい......」


......もう、付き合えよ。

類は友を呼ぶとはこういう事なのかな?全く私の考えと真逆の行動をとる2人......

おっと、私が見ていない間に何故か2人が、2人が!!!


「(なんで、長原君と手、繋いでいるの?)」

「(やっば、ちょっとやり過ぎたかも......)」


香坂のアドバイス通りに長原はアクションを起こした。

世の女性に問いたい!!

意中の相手から急に手を繋がれたらどうだろう?

普通の、本当に普通の女性なら天にも登る思いだどう。だが、あの相原なら一体何を思っているのだろうか......


「あ、あの、すみません!」

「え、うん、別に良いよ?」


ほらな!!と叫びたい。

恥ずかしさは何処なのだ、相原よ!!!


「(ちょ、待ってや!え、うち今長原君と手ぇ、繋いでるやん!!何なん!?今日ってうちの命日なん!?)」


あ、ちゃんと女子だった。

平然とした顔で内心は乙女フィーバーな相原など、誰も知らない。


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