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前回、こんな話をしたのを覚えているだろうか?

『誰もが好きな人の前に立つと緊張するもんだ。密室で2人きりなら、口から心臓が飛び出しそうな程に緊張するはずだ』

と。今度こそは!と願いたい。今度こそ、甘っーい、ラブストーリー以上の、空間を誰にも邪魔されず、長く見続けたい!!

そんな私の願いは、叶うのだろうか......


「じゃ、頑張って来い!!」

「はい!」


敬礼する勢いで返事をした相原は、夜勤の黒木に飛びっきりの笑顔を見せた。


そう、今夜は待ちに待った、あの日なのだ!!!


「あれ?相原さん、なぜ私服??」

「あ、山川(ヤマカワ)ちゃん!お疲れ様ぁ」

「お連れ様で......す?」


軽くスキップしながら廊下を歩いていた相原に声を掛けてきた、1人の職員に軽く挨拶し......質問には応えていないが、え、山川の説明はって?あぁ、それは後程しようかと、なんせこの山川、1行2行じゃ足りないので!!!

おっと、こんな話をしていたら知らないうちに、相原が近くのバス停に行っているじゃないか!!!


「お疲れ様です」

「うん、お疲れ様!」


相原は19:42発のバスに乗る為に、バス停にいると、仕事終わりの長原がやって来た。

ワイシャツの袖を肘下まで捲り、リュックを背負った長原の姿に相原は内心、黄色声が飛び交っていた。


「(はぁ、めっちゃカッコイイー!!)」


相原にとってその姿は、どストライクらしい。

なんせ、私服よりも仕事帰りの姿の方が好きだ!と何処かで話していたのを私は聞いた事が……あ、香坂に熱弁していた。


「わざわざ、休みの日に来てたんですね?」

「うん、研修を受ける為に」

「そうだったんですね?」


傍からみたら、若いカップルが……1人はアラサーだが、一緒に帰る姿に見えているだろう。

だが残念な事に、この2人は両片思いなんですよー!!と私は叫びたい。


「そう言えば……」


10分遅れで来たバスに乗り込んだ2人は、一番後ろに座るや否や、仕事の話を始めた。

いつも一方的に話をする相原だったが、ここは年上らしく、聞く側に徹しているのだろう、長原の声が聞こえやすい様に、そして相手に、アナタの話をちゃんと聞いてるよ?と、身体を長原の方に傾けていた。


「このバンド好きなんやね?」

「え、何で知っているんですか?」

「LINEの待ち受けにしてるやん」


仕事の話から長原の好きなバンドの話になった時、相原はフッと車内を見た。

乗客は相原と長原そして、仕事帰りの同世代位の男性1人だけだった。


「そうなんですよ、めっちゃ好きなんです!!」

「実は、私もなんよ」

「え、ライブとか行かれるんですか?」

「うん、行くよ?」


バンドの話に夢中になっている2人は知らないだろう、2つ前の席に座っている男性がそっと音楽を止めたのを……。

そんな事など知らない2人は、初ライブはいつなのか?他に好きなアーティストは?など盛り上がっていた。


「待って!長原君と好きな物、被りすぎやん!」

「確かに、そうですね!?」


そう言った時には、2人の距離が近付いていた……物理的に。

でも、バスだってその場で止まっている訳では無い。動いているのだ。


「あ、もう着いたん?」

「そうですね……」


目的の停留所に着いた2人はバスを降りる為に立ち上がり、長原が先に歩き出しその後ろを相原が着いていくと、


「頑張ってね」

「……え?」


あの男性が相原が横を過ぎ去る時にこう言ったのだ。相原が振り返ると男性は、人差し指と中指を交差させるフィンガーズ・クロスドというハンドサインをしていたのだ。

日本では馴染みが無いが『幸運を祈る!!』という意味がある。


「あは、ありがとうございます」


男性はハンドサインが通じたことに驚いていた。ではなぜ、相原が日本では馴染みが無いハンドサインを知っているのか?それは、相原自身が色んな国の友人がいるからだ、あ、日本語以外は挨拶程度しか話せないが……


「どうかしましたか?」

「何でもないよ!?」


男性に飛びっきりの笑顔でお辞儀をした相原を見た長原は、一瞬ムッとした顔を……だが、相原はそれには、気が付いていない!!

気付けよ、相原!!


「じゃ、行きますか!」

「はい!」


車内で他愛もない話をしていたと思っている2人でも、周りから見たらお互いが恋をしていると分かってしまうくらい、2人の声が弾んでいたのだろう。


さぁ、皆さん!!

ご一緒にあの鈍すぎる2人に、フィンガーズ・クロスドを贈ろうじゃありませんか!!!!


閲覧ありがとうございます!!


この車内での内容、もっと深く詳しく

書こうかなと思っていたのですが、

次回の内容の方が重大なのであっさりと

終わらせました!


そして、今回の13話をもちまして......



やっと折り返し地点となります!!

まだまだ2人の恋という名の距離は遠いですが

これからもどうぞお楽しみください!!!


そして、もし良ければ、

いいね・評価などして下されば

今後、書く活力になります!!!


よろしくお願いいたします


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